オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

オヤジのあくび65

名作を読む35 モーパッサン短編より「山小屋」 外出自粛期間。家にこもる時間は果てしなく長く感じ、また退屈である。だからこのようなエッセイを書き始めてしまった。しかし、南極の越冬隊や極地の観測所に働く人のことを思えば、大したことではないとかも…

オヤジのあくび64

名作を読む35 モーパッサン短編より「首飾り」 あらすじは、美しいが見栄っ張り、しかし裕福ではない役人の奥さんが、大臣主催のパーティーに出席することになる。普段の服ではイヤだと言い、まず亭主がへそくりを出して、高額なドレスを新調する。ところが…

オヤジのあくび63

名作を読む34 バルザック作「いなか医者」 お医者さん兼村長であるブナシスを、騎兵隊の少佐(実はスパイ)が訪ねていく話。 本来は大長編だが、子どもたちのために部分を抜粋して読みやすく変えてある。主人公ブナシスは、伝染病から村人を救うために、転地療…

オヤジのあくび62

名作を読む33 バルザック作「あら皮」 持っていれば、何でも自分の思い通りのことが実現するが、その分自分の命が縮んでしまう「あら皮」。主人公ラファエルは、自分の湧き出てくる欲望と戦い葛藤しながら、結局は自分の命を縮めてしまう。そしてその度にあ…

オヤジのあくび61

音楽的両生類の渇き 皮膚が干からびてしまうと生きていけない両生類と生活の中に音楽がないと心が干からびてしまう音楽人間?、とは、どこか似ている。 中でも私は仲間が集まってナンボの合唱をやっているので、とりわけ渇水感が強い。 音楽を聴いたり、一人…

オヤジのあくび60

名作を読む32 蒲松齢作「聊斎志異」 を読む 中国の怪奇物語。感性が違うのかもしれないが、あまり怖くない。特殊な力を持った化け物の話。考えてみれば、西遊記の孫悟空、猪八戒、沙悟浄もかなり怪しい。猿の分際で雲にまたがり空を飛んでしまうのだから。 …

オヤジのあくび59

名作を読む31 瞿佑作「剪燈新話」を読む。 中国が明の時代の話。三山の仙境、申陽のどうくつ、天国の裁判官になった男の話、以上が収録されていた。共通しているのは、主人公が怠け者であったり、乱暴者であったり、まぁ少し困った男ということ。 その主人公…

オヤジのあくび58

名作を読む30 「神仙譚」を読む。 本場中国の仙人の話。鳥山明さんがドラゴンボールで亀仙人を描いてから、どうも俗っぽいイメージが付き纏う。亀仙人だって武天老師になればスケベじじい返上でそれなりにかっこいいのだが…,。 日本にも仙人伝説はあって、久…

オヤジのあくび57

名作を読む29 中国現代短編集より 魯迅「藤野先生」 魯迅が仙台留学時代の思い出を語る短編。藤野先生は仙台医学専門学校で魯迅を教えた実在の人。当時は日清戦争直後で、日本に中国を見下すような風潮があった。先生はたった一人の中国人留学生である作者に…

オヤジのあくび56

名作を読む28 故事成語集 沈 既済作「枕中記」盧生邯鄲の夢 時は玄宗皇帝の頃、盧生は主人公の若者。邯鄲は街の名前。そこで仙人に会い、田畑を耕す貧しい生活を愚痴る。仙人が取り出した青磁の枕で寝ると、立身出世し大臣となり、波乱万丈の一生を夢で見る…

オヤジのあくび55

名作を読む27 ハート短編集を読む③ ・追放人の最後 死んでしまう。別れる。ストーリーの終わりが悲しいのは、少年少女たちにこれからの人生で何度も訪れる悲しい出来事への免疫抗体を用意しているのだろうか? この物語の登場人物は、町を追放された悪党ども…

オヤジのあくび54

名作を読む26 ハート短編集を読む② ・酔っぱらいと女の先生 自分が先生という職業であることを、知られたくない先生は意外と多い。近所のスーパーで野菜を買ったり、バス停でぼーっとバスを待っていても、先生がいることに気づいた子どもは、なんの悪気もな…

オヤジのあくび53

名作を読む25 ハート短編集を読む① ・鉱山町の天使 いざという時に、男ばかりではどうしようもないことってある。さらに男たちは、アメリカ西部に差金目当てでやって来た荒くれ者ばかりなのだ。その鉱山町に赤ちゃんが生まれる。母親は亡くなってしまうが、…

オヤジのあくび52

子どもたちの未来は子どもたちも考えるべき2 51〜続く しかし、現実に8都道府県では、この3月から学校が子どもたちが集える場所として機能していないわけでして、子ども自身が現在の状態をどう感じて、どうすればいいのか?発信できる場があるとよいと思う。…

オヤジのあくび51

子どもたちの未来は子どもたちも考えるべき1 学校の休校について、どうのこうの大人たちが右往左往している。やれ9月入学に変えようとか、オンライン学習は環境が整わないと格差を生じるとか…しかし、これらは全て大人目線であり、大人がよき方向に導いてい…

オヤジのあくび50

時間の感じ方と方丈記 秒針がきざむスピードではなくて、心の中の時計が感じる速さの話です。 私は、嫌なことや辛いこと悲しいことが起きると、時間の流れ方がドロドロになってしまい、喘いでも先に進まない。暇を持て余している時にも似たような感覚に陥る…

オヤジのあくび49

名作を読む24 中国現代短編集より 葉紹鈞作「世界にたった一つの花の種」 このタイトルで、すぐに思い出すのは「ナンバー1にならなくてもいい、もともと特別なオンリー1」とSMAPが歌っていた「世界に一つだけの花」ですね。この話は種なので、未だ咲いていな…

オヤジのあくび48

名作を読む23 キングズリー作「水の子トム」を読む。 人間の想像力は、なかなかあなどれない。想像→創造によって、文明が進歩してきた部分は、たくさんあるだろう。子どもたち対象の漫画だって、鳥獣戯画からスタートしてありえない世界を描いてきた。お化け…

オヤジのあくび47

名作を読む22 ボッカッチォ作「デカメロン」を読む この寓話は、イソップ物語同様に多分に教訓的である。そしてアラビアンナイトのシェラザードが千夜一夜語り尽くしたスケールに比べると、小規模であるけれど、18人の男女が一人一話ずつ10日かけて語ったと…

オヤジのあくび46

名作を読む21 バンバ作「チョンドリーノ」を読む 名作を読んでいると、作者が生きていた時代世相、作者を取り巻いている歴史的な環境が作品に色濃く影を落としていることがわかる。 バンバは、イタリアのトスカーナ州フィレンツェ出身の作家だです。今ととて…

オヤジのあくび45

名作を読む20 バジョーフ作「石の花」を読む 召使いをすると気が利かない。牛の見張りをすると牛を逃がしてしまう。そんな主人公ダニールシコは、気難し屋で有名な石工のプロコーピイチに預けられる。この親方には今までに何人もの子どもたちが弟子入りした…

オヤジのあくび44

名作を読む19 ノーソフ作「ネズナイカ」を読む 幾つの頃に、どんな話からどんなことを感じ取ることができるようになっているか?それ以前に幾つですどの程度の文字を読むことができて、語彙を獲得しているか? 「ピーチャの学校生活」と同じ作者による「ネズ…

オヤジのあくび43

名作を読む18 ノーソフ作「ピーチャの学校生活」を読む 読み続けている少年少女世界の名作文学には、ソビエト編というのがある。1990年代以降に生まれた方には、馴染みが薄い国名かもしれない。紛れもない世界最大の社会主義国家が1922年〜1991年まで69年間…

オヤジのあくび42

名作を読む17 アービング作「リップ=バン=ウィンクル」を読む。 タイムマシンは可能か?というな話になると、未来行きなら…という前提付きで可能性があると言う。よくSFの世界でウラシマ効果と呼んでいる現象何そうだ。宇宙旅行をして帰って来たら、未来の地…

オヤジのあくび41

動画配信による授業に思う。 学校や塾で授業ができない。たしかに今感染拡大地域て子どもを学校に登校させるのは、いかがなものかと思う。 それでは、動画で授業を配信しましょう!本当に観られるための準備ができているのか?観なかったら観ないでハイそれ…

オヤジのあくび40

「よく聴く人になりなさい」琵琶の師匠が時折おっしゃる。たしかによく聴くと気づかなかった微妙な音の変化(これが琵琶の場合、五線の上にはないことがままある)や細かな撥の弾法がわかる。合唱でも同じで、よく聴かなければハモる音の位置や音色がわからな…

オヤジのあくび39

名作を読む16 バランタイン作「名犬クルーソー」を読む。 子どもたちは、勇者の話が好きだ、だからハリー・ポッターなど巨大な敵に立ち向かう話がよく読まれる。 私が子どもの頃、よく西部劇を観ていた。インディアンをステレオタイプ的に悪者として登場させ…

オヤジのあくび38

名作を読む15 サバチニ作「スカラムーシュ」を読む この物語の時代背景は、フランス革命である。あの革命が始まった頃、革命が収束した時の国の姿を夢に描いていた人が何人いただろうか?世界史をおさらいしてみれば、とんでもない変化が次から次へと起きて…

オヤジのあくび37

名作を読む14 グリコローゼビチ作「サーカスのゴムまり小僧」を読む ソビエト編の物語。 日本国憲法第十四条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 華族…

オヤジのあくび36

名作を読む13 ストウ夫人作「アンクル=トムの小屋」を読む。 自由って何か?アメリカは表面的には自由の国ということになっている。しかし、歴史を振り返れば奴隷制度のおかげで豊かになった国だし、今だって移民に対する不当な扱いがまかり通っている。偏見…