オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

2021-01-01から1年間の記事一覧

オヤジのあくび307

松岡心平篇「世阿弥を語れば」を読む 初めのうち、能によく通じている方や実際に稽古された方との対談が組まれており、これでは能が大好きでかなりの数演目を熟知していないと読み進められないなと感じていた。 それが松岡正剛氏の登場で雰囲気が変わる。正…

オヤジのあくび306

ご隠居さんが、時代を切り拓くのだ3 もう老人なんだから、パソコンやスマホができなくたってしょうがないじゃん! そうですかね? 困った時用にスマホには音声入力を始めとした補助機能が付いているじゃないですか。 誰に教わるか? もちろんギブアンドテイ…

オヤジのあくび305

ご隠居さんが、時代を切り拓くのだ2 周知の通り、日本の健康保険や年金システムは、高齢者の生活を現役世代が支える仕組みになっていて人口構成が逆三角形状態の現状に合っていない。突破口としては税金、とりわけ消費税増税が有効なのだろうが、税金の話に…

オヤジのあくび304

ご隠居さんが、時代を切り拓くのだ1 ご隠居さん? 落語に出てきて八っさん、熊さんにウンチク話をきかせる情景が目に浮かぶけれど、ウンチクどころか江戸時代のご隠居さんは、凄い人が多い。いや凄い人の中にご隠居さんの比率が多いというのが正しいのかな?…

オヤジのあくび303

日本の歴史とテロ3 若者を洗脳し、一つの正義とやらの実現のために他の立ち位置を否定して、過激な行動へと煽り立てる。そんな人物が少なからずいた。 吉田松陰、北一輝、トロツキー・・・。吉田松陰なくして、明治維新を成し得たのか? と問われると答えに…

オヤジのあくび302

日本の歴史とテロ2 とにかく至る所で狙撃による殺人行為がまかり通っていた感があるのが、幕末の京都。この原稿を書き始めたきっかけの平岡円四郎も京都で暗殺された。新撰組に対する見方はさまざまだろうけれど、殺人集団と紙一重であったという見方がある…

オヤジのあくび301

日本の歴史とテロ1 日本が元号制をスタートさせたのは、大化の改新なのだけど、あのクーデターは、かなりテロ的です。奈良平安朝は、大規模な戦争が目だないけれど、貴族間でそれなりにテロに近いことは起きていた。それは「変」と呼ばれていて、政権主体が…

オヤジのあくび300

亀、只今昼寝中 ご存知童謡「うさぎと亀」 もしもし亀よ亀さんよ 世界のうちでお前ほど歩みののろい者はない どうしてそんなにのろいのか〜♪ ここまで上から目線で馬鹿にされて、競争しますか? ところが亀さんは・・ なんとおっしゃるうさぎさん そんならお…

オヤジのあくび299

森正人「大衆音楽史」を読む2 黒人霊歌が広く知られるようになるのは、混声合唱団ジュビリーシンガーズの活躍を追いかける必要がありそうだが、本書ではまずアメリカに連れてこられた(三角貿易)黒人によって生まれたラグタイム・ブルース・ブギに注目してい…

オヤジのあくび298

森正人「大衆音楽史」を読む1 本書の著者の専門は、地理学であります。非常に用意周到に書かれている「はじめに」からして、単なる音楽通史ではないことを暗示している。 どの時代のどの国のどのような経済状況が、どのような人々にどのような音楽を享受でき…

オヤジのあくび297

白鵬翔「相撲よ!」を読む 身長175cm、体重68kg。新弟子検査の基準をクリアできない色白で痩せっぽちの少年が、将来大横綱になると誰が予想しただろう。しかも弟子入りの数日前まではモンゴルに帰って、レスリングを学ぼうか? などと考えていた少年が。 白…

ワンピースの話

ずいぶん長い間「ワンピース」を読んでいる。今日もコンビニで101巻を見つけて買って来た。初め=20年前はジャンプの斜め読みで済ませていたのに、本格的に興味を持ち始めたのが、ドラム王国の頃だったろうか? それとももう少し前か? 結局初回から101巻まで…

オヤジのあくび296

安岡正篤「青年の大成」を読む2 私が勝手に学び続けるエネルギーなどと書いてしまったところで、次に自己錬成の秘訣を三つ語っていらっしゃる。 一つ目は寸陰。簡単に言えば時間の隙間をうまく使うということだろうか? 人には思うようにならない時間とその…

オヤジのあくび295

安岡正篤「青年の大成」を読む1 知性・知能よりも情緒が大事だと説く。OECD主導による学力調査の結果に振り回されて、全国学習状況の調査結果に一喜一憂している日本の学校教育の迷走ぶりを言い当てているかのようだ。江戸・明治以来日本の教育が欧米に見ら…

オヤジのあくび294

野村克也「私の教え子 ベストナイン」を読む 南海時代、三浦清弘投手と牽制球について、盗塁を防ぐために、あれやこれや策を練っていた話が出てくる。 当時のパリーグには福本豊というとんでもない盗塁王がいた。当然一塁手に進めば、即二塁を狙われるわけで…

オヤジのあくび293

そこは昔、海でした。 首都圏で言えば、東京・横浜のオフィスビルや高層マンションが立ち並ぶ土地は、昔は海でした。東京駅周辺で言えば、家康がやって来た当時、日比谷入江が現在の皇居外苑付近まで来ており、現在の東京駅周辺はその後の埋め立てにより市街…

オヤジのあくび292

稲盛和夫・山中伸弥「賢く生きるより辛抱強いバカになれ」を読む 概して対談を収録した本は読みやすいし面白い。読みやすいのは話し言葉が活字化されているからだが、同時に相手に通じるように話さなければ対談にならないからだ。もう一つは、対談を設定する…

オヤジのあくび291

読書という趣味 本との関わり方は、人付き合いに似ていると思う。相性があるし、リラックスさせてくれる本があれば、心地よい緊張感を与えてくれる本もある。その面では音楽と似ている。必要に迫られて読む本とは、うまく付き合えないことが多い気がする。 …

オヤジのあくび290

立松和平「法隆寺の智慧 永平寺の心」を読む 本のタイトルにある通り、法隆寺と永平寺での体験が語られる。ありがたいのは、経文を作者が口語訳に直してくれていて、釈迦や聖徳太子の教えを読者にわかりやすく説いているところ。 前半は法隆寺での正月の体験…

オヤジのあくび289

ボクが学生だった頃の話2 ある時、私が所属しているグリークラブを含む音楽系サークル連合で、大学当局に対して抗議する場面があった。大学祭開催がきっかけだったかどうか? それさえ曖昧になっているけれど。 学生はかなり集まり、やがて構内をデモ行進し…

オヤジのあくび288

ボクが学生だった頃の話1 私が通っていた大学は、昭和史上に名を記す「浅間山荘」事件に関わった学生が多いことで知られている。学生の傾向として、二期校コンプレックスというネーミングをいただいたのもこの頃で、共通一次がスタートするきっかけの一つと…

オヤジのあくび287

池上彰・佐藤優「希望の資本論」を読む どうしても政治運動としての社会主義、共産主義が話題に上るのだけど、共産という言葉が、元々日本で作られた言葉であるとは驚いた! 中国共産党の党名は日本から輸出したものだったのですね。話は戦前日本の講座派に…

オヤジのあくび286

中野東禅「良寛」を読む 如今、険崖に手を放ちて看るに、ただこれ旧時の栄蔵子。 40年間の修行を振り返って、何のことはない子どもの頃の栄蔵のままじゃないか! という一文。肩書き、名誉、金銭は、本来の自己に何の役にも立たない。ごまかしようがない自己…

オヤジのあくび285

鈴木大拙著 北川桃雄訳「禅と日本文化」を読む4 禅と俳句 はじめに加賀千代女の俳句「ほととぎす ほととぎすとて 明けにけり」が引用される。 俳句が直観的理解の反映であり、概念とか理屈とかではないことが、おなじみ芭蕉の「古池や 蛙飛び込む 水の音」で…

オヤジのあくび284

鈴木大拙著 北川桃雄訳「禅と日本文化」を読む3 禅と儒教 禅は、インド仏教が元になっているとはいえ、中国を経由して、かつ中国で儒教と半ば一体がしながら、南宋の頃に日本に持ち込まれた。禅とは、一切の理屈や言葉を否定した境地なので、グチャグチャ言…

オヤジのあくび283

鈴木大拙著 北川桃雄訳「禅と日本文化」を読む2 禅と美術 初めに禅が美術に及ぼした影響として、侘び寂びが語られる。水墨画では南宋の画家馬遠による一角様式の影響など。非対称、釣り合いが取れない表現に理詰めの西洋美術とは違う世界があると語ります。…

オヤジのあくび282

鈴木大拙著 北川桃雄訳「禅と日本文化」を読む 禅のモットーは、言葉に頼らないところにあるという。ではこの読書感想文もどきのブログもどきは一体何を語ればいいのか? 元々原文が欧米人向けの講演で英語だから日本人の著書なのに訳者がいる。だからこそ執…

オヤジのあくび281

頑張った結果に責任がもてるか? 5 かなりテキトー教師だったボクにも転機が訪れました。40歳を迎えた頃のことです。その頃校内に「新しい学校づくり委員会」というチームができて、なぜか? メンバーに選んでいただきました。1990年代の後半、学校像、教育…

オヤジのあくび280

頑張った結果に責任がもてますか? 4 子どもたちは、学校に来たら先生の顔を見て過ごさなければなりません。先生が怖い顔をしていたり、ピリピリしていたら、それが子どもに伝染することは疑いのないことです。 私は、教師としての資質能力など大してないと…

オヤジのあくび279

頑張った結果に責任がもてますか? 3 受験能力は努力した量の一部を図ることであって、努力の質を問うことができない。 つまり受験能力とは18歳時点の最大瞬間風速のようなもの。その先さらに発達するか? 急速に弱まるか? は人によりけりでよくわからない…