オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

オヤジのあくび474

ゴードン・S.ウッド「アメリカ独立革命」を読む1 小学校4年の音楽の教科書に、チェロキー族の「朝の歌」が突然登場する。ネイティブ・アメリカンの一部族で白人の侵略に抵抗していた人々だが、当時の北アメリカの状況について教科書には何も説明がない。植民…

オヤジのあくび473

宇都宮芳明「ヤスパース」を読む2 人間を超えた超越者を想定して実存について語る哲学者を有神論的実存主義と呼び、キルケゴールや今回のヤスパースはこちらに篩い分けられる。反対に超越者などいないという立ち位置を無神論的実存主義と呼び、ニーチェ、ハ…

オヤジのあくび472

宇都宮芳明「ヤスパース」を読む1 ヤスパースは、始め法学を学ぶが、医学に転じて「精神病理学総論」を著す。その後ハイデルベルグ大学で心理学の講義を担当することになる。このハイデルベルグでマックス・ウェーバーに出会う。そして彼を哲学者として評価…

オヤジのあくび471

森分大輔「ハンナ・アーレント」2 革命という名の元に人類はいったいどれだけの血を流してきたことか! 貧窮を解消するというスローガンの元に暴力自体が目的化してしまった事例を私たちは歴史で学んでいる。貧窮ではなく自由の獲得という意味で、アーレント…

オヤジのあくび470

森分大輔「ハンナ・アーレント」1 「私たちの思考の主題は何でしょうか。経験、これだけです。」そして現実と向き合うことなく抽象的観念の世界に立てこもってしまう態度を「世界疎外」と呼び、批判した。 まず本書は、アーレントが哲学者ハイデガーの不倫相…

オヤジのあくび469

下重暁子「天邪鬼のすすめ」 天邪鬼という言葉は、NHK名古屋放送局で野際陽子さんと同僚だった時代、野際さんと同じことを真似しようと思っても仕方がないと感じたところで、初めて登場する。 二回目は、東京放送局の頃、海外に行きたかった場面。三回目は「…

ワンピースのオヤジキャラたち2

「そんなに怖いか、新時代が」シャンクス自身も十分にオヤジなのだが、一体何を予感予想しているのだろうか? そろそろ引き際を考えておいたほうがよさそうな我が身を重ねて、次の展開が待ち遠しい。 ワンピースには、既得権益を持っているオヤジたちが、そ…

オヤジのあくび468

京浜急行から緩急の切り替えを学ぶ 今は通勤に京浜急行を使っている。東京へ男声合唱団の練習に行く時も京浜急行にできる限り乗っている。何が好きなのか? と問われれば、あの加速感と車窓のミスマッチなのだ。 後続車に追い付かれないように、逃げ切る急加…

ワンピースのオヤジキャラたち

ルフィを中心とするストーリーの核をなすキャラは若者だが、その周辺に目を離せないオヤジキャラがいる。海軍の英雄でありながら出世を拒み、どこまで強いのかわからないガーブ中将。その息子でルフィの父親であるドラゴン。そもそも海軍幹部の子が革命軍の…

オヤジのあくび467

野口雅弘「マックス・ウェーバー」を読む3 本書の副題は「近代と格闘した思想家」。あとがきでも触れているが、著者は丁寧にウェーバーの時代に生きていた思想家との接点や没後の解釈や読まれ方を分析している。思想履歴が長大であるが故に、その一部だけが…

オヤジのあくび466

野口雅弘「マックス・ウェーバー」を読む2 ウェーバーは「魔法が解ける」という言葉をよく使った。今まで分からなかった現象を数式や一定の法則で解けるようになったことは、社会の近代化を大きく後押しし続けている。ところがウェーバーの思考は、宗教へと…

オヤジのあくび465

野口雅弘「マックス・ウェーバー」を読む1 今マックス・ウェーバーと言えば、社会学という学問と印象が重なるけど、元々ハイデルベルグ大学で彼が学んでいたのは、法学なのです。そもそも社会学という学問が広く認知される以前でもあったのですが・・・。彼…

オヤジのあくび464

宮本亜門「アライブALIVE」を読む 本書は、冒頭から衝撃的であります。自作のミュージカルを引っ提げたアメリカ公演の直前に世界貿易センターのテロ事件が起こったのです。 この本は自伝ですから幼少期からの足跡を辿る訳です。演劇に開眼する前の宮本少年の…

オヤジのあくび463

姜尚中「在日」を読む 在日韓国朝鮮人に対する指紋押捺が問題視された1980年代の始め、私が受け持った学級にも通名で暮らす子どもがおり、卒業証書を本名で書くかどうかについて、家庭訪問していたことを思い出す。またその頃在日の人々が多く暮らす街で仕事…

オヤジのあくび462

鴻上尚史「演劇入門」を読む3 演劇入門というタイトルなのに、全体の3/5辺りまで演技指導に関する話が出てこない。そして「演技においては、話すよりも身体を動かすよりも、心を動かす方が難しい」と言う。リアル、嘘、嘘くさい(何とかのふりをしている)の…

オヤジのあくび461

鴻上尚史「演劇入門」を読む2 インタラクティブ。双方向性という意味の言葉が頻繁に文中に現れる。私は今小学校で音楽を教えているのですが、担当している学年は3〜6の4学年9クラスです。同じ教材でもクラスによって反応は微妙に違います。今日はあまりのっ…

オヤジのあくび460

鴻上尚史「演劇入門」を読む1 勤務校で、若い頃演劇クラブの指導をしていたことがあります。初任校では私が脚色したミュージカルを集会で発表するなど、まったくヤリヤリでした。子どもたちに声をかけていたのは、とにかく動くことです。首から上だけの演技…