オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

オヤジのあくび444

柳原良平「柳原良平のわが人生」を読む1 横浜に長いこと住んでいるので、大桟橋に停泊中の客船はずいぶん眺めてきました。知人のヨットや釣り船で湾内を巡ったこともあります。夜のノースドックの灯りが綺麗だったことを覚えています。 私の親父も若い頃海に…

オヤジのあくび443

横山泰行「のび太という生き方」を読む ドラえもんがポケットから出してくる「ひみつの道具」、一時はのび太の悩みが解決したように見えますが、結局はうまくいきません。そりゃ、そんな便利なアイテムに頼ってばかりじゃいけないよね。人生そんなに甘くない…

オヤジのあくび442

工藤美代子「サザエさんと長谷川町子」を読む3 漫画のアイディアを練るとき、町子はスルメとか昆布を口にしており、胃痙攣を起こすことがあったという。ストレス過剰なのだ。だからおとなしい外面とは真反対で同居する家族にあたることもあったらしい。 力道…

オヤジのあくび441

工藤美代子「サザエさんと長谷川町子」を読む2 この本には町子の母親と姉妹が絶えず登場する。凄いのは母親の行動力で、思い立ったら即行動! とてもエネルギッシュな人として描かれている。また当時一家は若草物語のようだと言われたらしい。女性四人の家族…

オヤジのあくび440

工藤美代子「サザエさんと長谷川町子」を読む1 サザエさんの連載当時、頑固な親父のこだわりで我が家は一貫して朝日新聞をとっていた。おふくろはスクラップが好きで、サザエさんはスクラップブックで何度も読み返すことができた。漫画では番外編的に作者が…

オヤジのあくび439

中坊公平「金ではなく鉄として」 肩書きは必要な時があるかもしれないけれど、大して当てになるものでもない。中坊さんの肩書きは、京大卒の弁護士でして、この肩書きに恐れを成していては中坊さんの人柄にせまることはできない。ボクくらいのオヤジになると…

オヤジのあくび438

柄谷行人「倫理21」を読む3 話は責任論に移り、ナチス、日本の戦争責任がどのように問われたのかを辿っていきます。天皇の戦争責任〜非転向の共産党員へと。その中で棄権にも政治的な責任があり、吉本隆明の「無知にも責任がある」が、刺激的です。 戦争責任…

オヤジのあくび437

柄谷行人「倫理21」を読む2 括弧に入れておく話が出てくる。それは認識の脇に置いておいて的な意味と捉えておこう。以下引用→(われわれは自由を括弧に入れたときに自由を見出し、自然必然性を括弧に入れたときに自由を見出す。人が何かをやってしまったら、…

オヤジのあくび436

柄谷行人「倫理21」を読む1 責任とは何か、倫理とは何か、そこが本書の出発点です。 はじめに、本書における言葉の定義づけについて。人は結局は群れる動物なのだから共同体的な規範をどこかで必要としているはずと考える北野武の立ち位置とは別に、幸せであ…

オヤジのあくび435

北野武「新しい道徳」を読む2 話題は、インターネットによる世界支配、清く貧しく美しくに戻れない人々、和を持って尊しとなす、モーゼの十戒へとジャンプを繰り返していく。そして、過酷な氷河期の環境を集団として生き残るために道徳の卵のようなものが生…

オヤジのあくび434

北野武「新しい道徳」を読む1 最初にツッコミを入れるのは、道徳の教科書。小学校1年生に「自分を見つめさせて」どうするの? と。そりゃそうだよなぁ。昔は「何言ってんだか」という白けた目で授業を受けていた子どもがクラスに3〜4人はいて、そんな子の視…

オヤジのあくび433

斎藤文彦「忘れじの外国人レスラー伝」を読む2 私は大学を出てから学校の先生になり、まだ学校現場にしぶとく居座り続けているわけだが、一昔前までは、休み時間の教室はそこいらじゅうでプロレスごっこをしていた。ところが最近はあまり見かけない。なぜだ…

オヤジのあくび432

斎藤文彦「忘れじの外国人レスラー伝」を読む1 まだ若い頃プロレス好きの同僚と一緒に新日本プロレスを何度か観に行った。場外乱闘になってビックバンベイダーが近寄ってきた時は、正直怖くて、友人を押し倒して逃げてしまった。ごめんなさい。 有名なプロレ…

オヤジのあくび431

堀内隆行「ネルソン・マンデラ」を読む2 本書には、もう一人の主人公がいる。マンデラの妻ウィニーその人であります。結婚した相手がネルソン・マンデラであったことは、彼女の人生を大きく変えてしまいます。そもそも結婚後、マンデラは地下活動に入り公の…

オヤジのあくび430

堀内隆行「ネルソン・マンデラ」を読む1 本書のキーワードは和解。 マンデラは、ガンディーの影響を受けた非暴力主義というイメージで捉えられている時があるけれど、本書ではマンデラの非暴力主義はあくまでも戦術の一環に過ぎなかったとしている。クリスチ…

オヤジのあくび429

野口聡一「オンリーワン」を読む2 いよいよ宇宙へ。空から真っ直ぐに引っ張られる感触、砂利道を普通車でスピードを出して走っていくような横揺れ、7分過ぎになると加速度で3Gの負荷がかかる時間が1分間。8分28秒エンジンが止まり、無重力になる。この瞬間は…