オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

世相放談

オヤジのあくび553

小林よしのり「新戦争論」を読む。 アフォリズム。警句を並べ立てて読者を煽り立てるのは著者の得意技だ。目立ってしまうが故に、対立する人々に事欠かずネトウヨを始め、氏の意見から派生する様々な動きとの軋轢を体験的に描いている。けれども戦争の反対は…

オヤジのあくび532

高坂勝「減速して生きる ダウンシフターズ」を読む。 著者が小売業界にいた頃、業績悪化に並行して指示系統が縦化されイエスマンが増えてきたと言う。翻って教育現場でも業績悪化については検証しづらいが、同様のことが言えそうです。子どもたちに自由の大…

オヤジのあくび530

河野太郎「日本を前に進める」 何か期待できそう。経験に裏打ちされた行動や発言から、希望が持てそうな気がしてくる。俊足自慢は置いておいて、ワシントンの大学で国際関係学を学び議員のインターンをしていたことや、帰国後富士ゼロックスに入りテレワーク…

オヤジのあくび497

とにかく人が死ぬのはダメ。 日本は素手で闘う武道がある。柔道、合気道、空手然り。剣道は竹刀も使うが、真剣がある時代から変化したのだ。相手を死に至らしめない、大怪我をさせない思想が低層を流れている気がします。 水戸黄門では「ジジイ、やっちまえ…

オヤジのあくび452

失われた30年ではなくて脱成長の30年なのかも? バブル崩壊後、小さな波はいくつか訪れたが、日本が再び目覚ましい経済成長に転じることはなかった。たしかに昭和元禄といわれた高度経済成長期の好景気は見る影もない。 お叱りを受けそうではあるけれど、こ…

オヤジのあくび420

マルクス・ガブリエル他 斎藤幸平編「未来への大分岐」を読む5 機械に操作・コントロールされない未来を守るために、メイソンはヒューマニズムを、さらには人間に対する影響を食い止めるための規制が必要だと説く。前の対談者マルクス・ガブリエルが倫理を持…

オヤジのあくび419

マルクス・ガブリエル他 斎藤幸平編「未来への大分岐」を読む4 対談の最後に登場するのは、ポール・メイソン。ポストキャピタリズムを著し、注目されているジャーナリストだ。 潤沢な社会の実現によって、今まで資本が投下され利潤を上げていたものが、限り…

オヤジのあくび418

マルクス・ガブリエル他 斎藤幸平編「未来への大分岐」を読む3 相対主義は他者を非人間化する! と警鐘を鳴らす。自明の真実をねじ曲げ、他者他国と線を引く。自分は自分、他人は他人という思考が極端化して相互理解など吹き飛んでしまったところに、大きな…

オヤジのあくび417

マルクス・ガブリエル他 斎藤幸平編「未来への大分岐」を読む2 こうしてブログを書き込んでいることに、私は搾取されている感覚があまりなかった。けれど私の書き込んだ内容をAIで分析すれば(多分誰もしないとは思うけど)、私個人の傾向や資質が抽出され、結…

オヤジのあくび416

マルクス・ガブリエル他 斎藤幸平編「未来への大分岐」を読む1 最初に登場するのは、マイケル・ハート。ボクもネグリとの共著「マルチチュード」を読みかじって書棚の片隅に鎮座している。冒頭から資本主義は飼い慣らせるのか? と刺激的な発言が出てくる。 …

オヤジのあくび412

次のリーダーを育てるとは? ボクのリーダー論3 リーダーを育てるシステム 企業でも官僚機構でも、それぞれに形は違えど、次期のリーダーを育てるシステムを持っている。それが組織を維持していく上に欠かせないからだ。 では起業家や政治家の場合はどうなの…

オヤジのあくび411

次のリーダーを育てるとは? ボクのリーダー論2 苦労は大切なのか? 明治維新の立役者、西郷さんは島流しになったり、二人で自殺を図って自分だけが助かったりしている。重荷を背負うて行くが如しの徳川家康は幼少期人質、源頼朝は寺で念仏三昧の日々を送っ…

オヤジのあくび410

次のリーダーを育てるとは? ボクのリーダー論1 リーダーや隠れた才能はきっとどこかにいる? チベット仏教の化身ではないが、生まれ変わった尊い方がどこかにいらっしゃり、その方を探し出さなければならないという考え方がある。 仏の化身に限らず、全くの…

オヤジのあくび399

成長目標とか補助分配だけじゃなくてまず再建3 21世紀が始まってもう20年余りが過ぎてしまった。今から数十年先にシングュラリティーや脱炭素社会が実現したら、世の中はどう変わっているのだろうか? 貧富の格差や戦争・核兵器がない時代が実現しているのか…

オヤジのあくび398

成長目標とか補助分配だけじゃなくてまず再建2 貧乏人のひがみにしか聞こえないだろうけど、人は金持ちを目指して生きているのではない。人は幸せな時間を求めて生きているのだ。幸せの形態や価値観は人それぞれに違いない。その前提に安心安全とある程度の…

オヤジのあくび397

成長目標とか補助分配だけじゃなくて、まず再建1 経済指標を中心に社会の動向を見ようとすると、お金・資産がどれだけ動いたか? が注目される。けれどもそれが一種の拝金主義に陥った理由になっていないだろうか? 手元にお金がなければ何も始められないで…

オヤジのあくび40

「よく聴く人になりなさい」琵琶の師匠が時折おっしゃる。たしかによく聴くと気づかなかった微妙な音の変化(これが琵琶の場合、五線の上にはないことがままある)や細かな撥の弾法がわかる。合唱でも同じで、よく聴かなければハモる音の位置や音色がわからな…

安倍政権は、プロレスの興行に似ている。

安倍政権は、プロレス興行に似ている。プロレスは、筋書きがほぼできている。まぁ、少なくともそれをやったらおしまいよ…暗黙の禁じ手があり、プロモーターから見放されて解雇はある。それを忖度と言う。 プロレスは、オリンピック種目とかと違い、反則をし…

多くの人々に必要とされている人3

天皇陛下日の丸を手に、大声で天皇陛下万歳!と叫ぶほどの皇室崇拝者ではないし、いわゆる国体護持とやらに対して、頑なな意見を持っているわけでもないのですが…。かなり恐れ多いが、先日の即位の礼に対して、日本人が示した態度を見てそう思う。個人的には…

多くの人々に必要とされている人2

第二第三のグレタさんグレタさんは、スエーデンの環境運動家。16歳。気候変動を食い止めるため、文字通り体を張って世界中にメッセージを発信している。まだ十代の娘さんに過ぎない彼女の行動が、なぜ世界中の人々の共感を呼ぶのか?私は60代のオヤジだが、…

多くの人々に必要とされている人1

必要とされていない人なんてどこにもいない。地球上の人々全てが、必要とされている人なはずだ。ただ、家族、友人、職場と自分が必要とされている場面や人を数え始めれば、そんなに巨大な数にはならないだろう。きっと。けれど、世界にはとてつもなく大勢の…

天皇家と宗教について少し思うこと

20191022 今日は、国の行事として午後から即位礼正殿の儀が執り行われる。陛下が即位を宣言される日だ。誠に目出度い。日本の天皇家がどのような歴史を歩んで来られたのか?について、学ぶまたとない機会でもある。陛下は、午前中宮中賢所にて、本日即位礼を…

ますます加速していく時間の中で3

現代文明の前提と脆さ 現代の都市生活は、いくつもの前提に支えられている。例えば、電気、ガス、水道、通信。これらがストップした時に人々はオロオロしながら、自分たちの生活を支えていた前提が何であったかを改めて自覚することになる。最近の日本で言え…

ますます加速していく時間の中で2

時代から求められる能力の変化 時代はいつもその状況に応じた能力を人々に求め、教育してきた。江戸時代の武士にとっての教養とは、儒学を基盤にしたものだったし、町人も寺子屋で、それぞれに将来就くであろう職業に合った教育がなされていた、例えば商人な…

ますます加速していく時間の中で1

以前書いた気がする原稿。再掲。 便利さ・能率化という幻想とパソコン 1995年という節目は、今後永きに渡り人類の歴史に刻まれることになるだろう。何の年かって?Microsoft社がWindows95を発売した年なのです。それまでパソコンがなくてもワープロで十分と…

序列化を阻む2

話は合唱。音程・リズム、ハーモニーなど正確に表現できているか?という意味では、物差しがあるし、コンクールが成立する。しかし、それはあくまでも必要条件であって、その合唱団らしい表現をどう創り上げるか?が十分条件を満たすことなのだ。要は情熱。…

序列化を阻む

並べると整理がしやすいし、わかりやすいので、何かと人は対象を序列化する。大学の難度、就職先の人気企業ランキング、給与・所得まで、いろいろな物差しで比べられることで一喜一憂してきたし、またそれを参考にしてきたことも事実だろう。序列化を阻む。…

考える速さ、感じる空間

AIの反応速度と人間が考える速さの比較に意味があるのか?人間が読み、思考し、書くプロセスには、それにふさわしい時間が確保されることは、当たり前で、スマホのやり取りなどで本来時間をかけて表現を練り上げるべきところを、情けない単語の羅列で事を済…

清貧のススメ3

お金をかけなくとも出来るし、それなりに楽しいことを見つける。例えば公共図書館を利用した読書。ある時気付いたのだけれど、現在62歳の自分が一年に100冊ずつ本を読んだとして、82歳までに読める本はたったの2000冊しかない!2000冊という数字は、私にとっ…

清貧のススメ2

具体的には、まず、やってもやらなくても自由なこと、例えば趣味に費やすお金を見直す。嗜好品も酒やタバコを減らす。まるで江戸時代の諸改革のようだが、お金がないのだから仕方がないのだ。本当は火の車財政の国が率先して行うべきなのだろうけれど。それ…