オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

歴史

オヤジのあくび643

岡村道雄「縄文の列島文化」を読む 今も昔も日本独自の文化がある。何と三万年も前に日本独自の石器が使われていた。刃部を研磨した石器でナイフのように動物を狩る際に用いたらしい。 ところで私たちが資料で学んだ竪穴式住居のイメージは屋根が茅でふかれ…

オヤジのあくび642

村井康彦「出雲と大和ー古代国家と原像をたずねて」を読む2 本書に吉備国の桃太郎伝説が登場する。桃太郎は大和朝廷から派遣された吉備津彦命のことであり、鬼は吉備国で鉄生産に従事していた百済の人々だというのだ。何とかして吉備国の経済力を弱めたい朝…

オヤジのあくび641

村井康彦「出雲と大和ー古代国家と原像をたずねて」を読む1 奈良盆地に三輪山という山があり、麓に大神神社がある。御神体が山そのものという古代の自然崇拝を受け継いでいる。ところが祀られている神様は大国主命なのです。なぜ出雲大社の神様が奈良盆地の…

オヤジのあくび581

安部龍太郎「海の十字架」を読む2 足利将軍による治世を終わらせたのは織田信長であるが、信長が上洛する前の洛中の支配者は三好長慶であり松永弾正であった。「蛍と水草」はその内部抗争を描いている。 三好兄弟が次から次へと銃撃され、全て松永弾正の思う…

オヤジのあくび580

安部龍太郎「海の十字架」を読む1 書名にもなっている大村純忠の物語は、ポルトガルの交易とセットになったイエズス会の布教を、いかに自身に有利な方向に利用するか? 戦国時代ならではの駆け引き劇が読者を楽しませる。少々怪しげなバルトロメオが、ストー…

オヤジのあくび579

安倍龍太郎、門井慶喜、畠中恵「歴史・時代小説教室」を読む 畠中さんは、作家自身が小説を書くために踏んでいるステップを惜しみなく公開している。それはほぼ一般化されたスキルなんだろうけれど、もちろん畠中さん独自の留意点も話されていて、何か書いて…

オヤジのあくび576

田中健次「図解 日本音楽史」を読む 自分が親しんでいる琵琶でさえ知らなかったことが多い。本書によれば、雅楽の楽琵琶はペルシャ起源で7〜8世紀にシルクロード〜中国経由で日本に伝えられた一方で、盲僧琵琶ルートは、インド起源で6世紀に三国時代の中国経…

オヤジのあくび571

門井慶喜「徳川家康の江戸プロジェクト」を読む 大河ドラマ「どうする家康」で描かれている通り、家康公の一生はギリギリの判断を迫られる場面の連続であった。江戸に本拠地を定めたのもその一つだろう。秀吉から関八州に国替えを命じられた家康は、なぜ江戸…

オヤジのあくび566

W•T•へーガン「アメリカ・インディアン史」を読む1 本書では、アラスカ州のエスキモーやハワイ州の先住民は含んでいない。それでも600を優に越える部族が暮らしていたのだ。一つの政治理念の元に統一されていたわけではない。それぞれの部族ごとの暮らし方や…

オヤジのあくび534

磯田道史「無私の日本人」を読む 本書は史実に基づいた歴史小説として読めるし、実際登場人物の感情の起伏を書き込むことで、読み手の気持ちを引き寄せることに成功している。 初めは穀田屋十三郎。仙台藩吉岡宿の困窮を救うために奔走する商人の姿を描いて…

オヤジのあくび372

忍者の戦い方 忍者にとって大切なのは匿名性。漫画のヒーローではないので、どこの誰がどんなことをしているか、わかってしまっては忍びにならないのだ。唯一の例外は徳川家召し抱えの服部半蔵くらいだろうか? だから漫画では果敢に敵と戦うシーンが出てく…

オヤジのあくび371

忍者と修験道 ネタの仕入れ先は、吾妻線群馬原町駅前にある忍者ステーション。展示資料によれば、真田の忍者は修験道信仰と関係が深いと言う。 あの山伏姿で山から山へと渡り歩き修行を積む修験者であります。その信仰が厚かったのが、群馬県、今の東吾妻。…

オヤジのあくび303

日本の歴史とテロ3 若者を洗脳し、一つの正義とやらの実現のために他の立ち位置を否定して、過激な行動へと煽り立てる。そんな人物が少なからずいた。 吉田松陰、北一輝、トロツキー・・・。吉田松陰なくして、明治維新を成し得たのか? と問われると答えに…

オヤジのあくび302

日本の歴史とテロ2 とにかく至る所で狙撃による殺人行為がまかり通っていた感があるのが、幕末の京都。この原稿を書き始めたきっかけの平岡円四郎も京都で暗殺された。新撰組に対する見方はさまざまだろうけれど、殺人集団と紙一重であったという見方がある…

オヤジのあくび301

日本の歴史とテロ1 日本が元号制をスタートさせたのは、大化の改新なのだけど、あのクーデターは、かなりテロ的です。奈良平安朝は、大規模な戦争が目だないけれど、貴族間でそれなりにテロに近いことは起きていた。それは「変」と呼ばれていて、政権主体が…

オヤジのあくび176

本郷和人「世襲の日本史 階級社会はいかに生まれたか」を読む 血縁、氏、家、地位、世襲・・・。おそらくは、江戸時代までは、それらのうちの幾つかが、人の運命を左右していた。いや、今も大いに影響下にある人がいらっしゃるだろう。 本書は、平安時代まで…

オヤジのあくび142

題して、人生、所詮通り雨。疾風人物伝。 まずは、宗教界から役行者小角。 親父(ぼくの父)が、生前この人物に興味を持ったらしく、よく話題に登場した。修験道の開祖である。弟子の鬼がいて、小角にいいように使われていたらしい。 伝説の一つに山と山との間…

兵農分離の歴史 〜私たちは武器を持たない〜3

国家による兵の徴用の歴史は古い。律令制度の元で、九州の防衛にあたった防人が、日本の古代の徴兵制である。この制度は、かなり酷いもので、租庸調同様の義務だった他、全て自弁だったようで、特に一人で帰らされた帰路は、故郷に到着できず死んでしまう者…

兵農分離の歴史 〜私たちは武器を持たない〜2

武力をもって権力中枢を脅かすのは、平将門に始まり、源平の争乱へと続くのだが、武士と言っても、日頃は田畑を耕しており、いざとなったら武器を持って戦う程度のもので、基本的には自衛目的の武力だったと思う。要するに自分の土地が一番で、それを権力が…

兵農分離の歴史 〜私たちは武器を持たない〜1

方広寺の大仏建立とか、名目を付けて秀吉が農民から武器を取り上げた。これはとりあえず天下が統一されたことで、もう傭兵に頼ることもなく、危険極まりない武器が一般庶民に出回っているという事態を防ぐためのものだった。それまで一揆には散々な目にあっ…

外圧で変わってきた国=おいしいところ取り?の国8 グローバル化→?

まだ先が見えていないのは、いわゆるグローバル化時代を迎えて、日本が獲得したものの評価である。日本はバブル景気がはじけてから失われた20年と言われるデフレ時代を迎えるので、ポジティブ思考が芽を吹いていない気もする。 でも私はここいらで発想を変え…

外圧で変わってきた国=おいしいところ取り?の国6 黒船来航→開国、明治維新

軍事力こそが国力と信じ込んでいる政治家は、21世紀の現代でさえ世界中にいる。幕末に東京湾に入り込んできたペリー艦隊は船の数こそ4隻であったが、当時としては世界最強の艦隊であった。江戸幕府が周章狼狽の体になったのも無理もない。およそ戦えるはずな…

外圧で変わってきた国=おいしいところ取り?の国5 鉄砲伝来→戦国時代の収束

種子島に鉄砲を伝えたとされるポルトガル人は、その後もっぱら日本との交易や日本への布教に力を入れる。その気になれば、租界地のように日本国内に領有権を主張できる土地を作れたような気もするし、大友宗麟などそれに似た構想を抱いていたようだが、全国…

外圧で変わってきた国=おいしいところ取り?の国4 元寇→ 鎌倉幕府転覆へ。おいしいところがない!

日本は75年前の沖縄戦や空襲で、多くの国民が亡くなっているが、はるか昔、やはりとてつもない大国が日本を急襲した=元寇である。この時はひたすら必死の防衛戦だったので、獲得するものや土地などなく、武士がただ疲弊して貧しくなっただけであった。得るも…

外圧で変わってきた国=おいしいところ取り?の国3 統治制度の導入→中央集権国家、律令制へ

一つの統一国家ができてきたということは、それぞれの豪族がそれぞれの地方でそれぞれのやり方でふんぞり返っているのは、甚だ具合が悪い。そこで日本に中央集権国家の体裁を整えようと奮闘努力した人々がいる。天智天皇、天武天皇から奈良朝の人々である。…

外圧で変わってきた国=おいしいところ取り?の国2

仏教伝来 八百万の神を祀る国に仏教が伝わる。仏教は他宗教を排斥しないから、日本の神と仏教は共存した。明治初期の廃仏毀釈=あれが日本の文化大革命だったのか?という事件を除いては、神社に五重塔が建っていても何の違和感もなかったのだ。しかし、日本…

外圧で変わってきた国=おいしいところ取り?の国1 文字の輸入

ユーラシア大陸からちぎれてしまったかのように海に浮かんでいる島々がある。我が日本列島もその一群である。この島々に少なくとも一万年以上前から人々が住み着き、文化を形成していた。彼等は統一国家などという巨大な統治機構を必要としていなかった。村…

天皇を一括した無礼者?伝2

日本一の大天狗…源頼朝to後白河法皇 源頼朝の初陣は平治の乱で、あまりにも若いとは言え、すでに戦闘能力があったのだ。だからこの時池禅尼のお情けとやらで、伊豆への島流しにとどめた清盛の判断は、平家にとっては大失敗であった。 この少年は、やがて平家…

天皇を一括した無礼者?伝1

徳がない…楠木正成to後醍醐天皇 建武の新政の実現の背景には、執権北条高時に代表される鎌倉幕府中枢の呆れ果てた体たらくがあり、武士たちはそれに取って代わる政権を求めていた。北条側から転じて後醍醐天皇に味方した楠木正成は、千早赤坂城の戦いを始め…