オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

リニューアルせよ!男声合唱!!①

 他者に発信された音楽を、メジャーな音楽とマイナーな音楽に類別するならば、見出しにある男声合唱は、どう考えてもメジャーとは言い難い音楽の一つに入ってしまうだろう。


 そもそも参加の形態からして、表現する響きから制約を受けているにせよ、男性しか受け付けていないということが、ある意味閉鎖的である。


しかも、近年「昔取った杵柄」とばかりに、リタイヤ組の壮高年の先輩方が、大挙して中枢を占めているため、合唱が好きな若年層が加わるのも勇気を必要な感じである。


 さて、本題は「昔取った杵柄」にある。昔懐かしさに若き日を振り返りながら、自身の青春を男声合唱を通して再現する・・という趣は、どこか鉄道ファンのSLに対する熱狂ぶりに相通じるところがあるように思う。かくいう私自身、SLは大好きで、あのあえぎながらも勇壮な汽笛を鳴らし、山々を疾駆する姿に思わず心がキュンとしてしまうタイプの人間である。しかし、蒸気機関車は、いずれ部品が壊れ、部品を再生する技術が失われ、運転操作を引き継ぐ人が消えていく、所詮は消え去る運命にあることが万人にわかっているものである。だれも、21世紀の鉄道が再びSL全盛になるなどと考えてはいないだろう。


 だが、男声合唱は、今後も未来永劫に渡って次世代へと引き継がれるべき音楽文化である。40年前、50年前の郷愁にひたり、昔の発声法と技術でもって、昔の曲を懐かしんでいてよいものか、私の答えは、やはり否である。何とかメンテナンスを続けながら、維持していく声ではなく、リニューアルまたはチューニングアップを遂げて新しい声・新しい響きを創造していかなければ、男声合唱というマイナーな音楽に未来はないのである。