オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

マーチングバンド そのSHARPな音楽世界!

 2.マーチングに接する醍醐味

 我が国で、始めて吹奏楽に接した人たちは、薩摩藩の人達であったと聞く。開港当時(150年前)横浜市中区妙香寺境内に駐留していた英国軍楽隊の演奏を聴いて、「よっしゃ!」とその気になったのであろう。やがて彼等は日本人として初めてのブラスバンドとなる。ちなみにこの時の軍楽隊指導者フェントンと薩摩藩大山巌との出会いが、国歌「君が代」制定の動きとなった。君が代の歌詞は、大山巌が大好きだった和歌から取られたとのこと、現在でも妙香寺では、発祥の地にちなんで年に一度吹奏楽が本堂で奏される。
 歴史的な故事を引っぱり出してしまったが、そんな大げさに考えなくても横浜という土地柄と、マーチングバンドというのは、けっこうよいマッチングのように思うのだ。
 さて、マーチングバンドの醍醐味、それはまさしくバンドが演奏するSHARPなサウンドと動きに、自分の体が深いところでシンクロしてくるタテノリの楽しさだろう。マーチングはバラード曲も交えて演奏するが、会場と一体になって、音楽を楽しんでいるのは、やはりアップテンポのタテノリの曲の時だろう。
 ここでSHARPなサウンドについて、もう少し言及してみたい。管楽器に限った話ではないのだが、音楽として発せられた音響は「ステージから耳の奥まで一直線に飛んでくる音」と「見えない幕の向こうから聞こえてくるような、あまり飛ばない音」の二つに分けられるように思う。マーチングバンドの場合は、そのパフォーマンスの性格上「響きのよくない場所」での演奏を余儀なくされることが多いので、とりわけ「飛ぶ音」と「飛ばない音」が目立ってしまうのだ。指導者により練習の条件、とりまく環境が異なり、また演奏に対しての考えもいろいろあるだろう。
でも、やはり大切にしていきたい。楽器を扱う以上、まっすぐに伸びのある「飛ぶ音」を目指しましょうよ。音楽としての本当の感動は、音の中からしか感じ取れないのだから・・・。それこそが、かっこいいマーチングバンドが、かっこよくてしかも芸術的な音楽クラブに脱皮する道なのだから・・。