オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

ぼくの大好きなアルバム この一枚 2

「小さな犯罪者」というアルバムについて 3

 八曲目で、また聴いている方がハラハラしてしまうような事を歌ってしまった後で、突然やすらぎ120%のやさしい愛の歌が流れてくる。少しは言い過ぎを反省したのだろうか?「夜がこわかったら、ひとりっきりでいるのなら、気分が落ち込んでいるなら、そして寄り添ってくれる人をさがしているなら、他にだれもいなければ、ほら思い出してごらん。ぼくがいつでも家にいるから」何だよ、こんな甘い歌だって、その気になれば歌えるじゃん・・と言った感じである。

 続く十曲目は、西部劇の世界。雨の中馬にまたがったガンマンがアリゾナ目指して旅に出る話である。このアルバム中、もっとも単純化された歌詞で、単にゆったりした曲想とイーグルスサウンドのコーラスを楽しめばいい曲。とても耳になじみやすい曲なので、この曲から聞き始めるのもランディワールドの入り口としては、いいかもしれない。

 キャサリーン。だれも知らないスペイン人の神父が登場するが、これって自作自演ってわけかい?(途中 神父のせりふが スペイン語なのか?私の語学力ではよくわからんのだが)とにかくアイルランドの女の子が大好きになったから結婚した男の話。副題に「カトリックはうまくいくのさ」的な意味がつけられていて、これまた敬虔な教会関係の方が眉をひそめそうな感じだが・・。

 アルバムの最後をしめくくる十二曲めは、ランディによるピアノの弾き語りで「農場のおじいさん」が登場。夫人の前でちょっと長話におよんで、夜になってしまったらしい。おやすみの挨拶を交わしながら「わたしゃ、あの歌を歌うのが、好きなんでさ」と話す老人の姿が、アルバム一曲分を、歌い終えたランディ自身の姿に重なる。

 今回は、好きなアルバムを自家製ライナーノート風に書いてみたけれど、文字にするとどうしても言葉が音に勝ってしまう傾向があり、ランディの繰り広げる音楽世界の味わいについて伝えきれていない感じがする。ただ己の筆力不足を恥じるのみである。