オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

リニューアルせよ! 男声合唱  4

 KAMCA(神奈川男声合唱協会)という団体があり、私の所属している合唱団もその末席の方に加盟させていただいているので、今度開かれる演奏会の合同練習に参加してきた。レパートリーは、アメリカのバーバーショップとシーシャンティーとして名高い「シェナンドア」である。
 本来クワルテットで演奏する「バーバーショップ」の楽譜を200人近い人数で歌ってしまおうと言うのだから、誰が企画したのかわからないが、実に恐ろしい企てである。合同演奏はすべて無伴奏で演奏されるのだが、前にも当ブログで指摘したように、音程が下がっていても気づかない重症歌手達と音程が下がっているのに気づいているが正しい音程を発声する技術がない軽症歌手達の集合体であるロートル合唱団のハーモニーは、極めて不可思議なもので、三週間後(合同練習は3月下旬に実施された)に控えた当日の演奏が、実に不安な面もちで帰宅してきた。

 おじさん達は英語の発音が苦手!

 上に述べたように合唱演奏を支える発声面に根本的な課題があるのだが、今回は「英語」もう少し話を広げて「外国語」と「日本の男声合唱団」の相性について、言及してみたい。

 そもそも「日本語」の発音・発声・発語法は、かなり特殊で、近隣諸国と比べても極めて独特なものである。なぜ極東の島国に、このような言語が誕生し、本日まで命脈を保っているのか?について論じ始めると、果てしなく莫大な話になるのだが、こと日本語の発音に関しては橋本進吉博士の著書「古代国語の音韻について」を参考にさせていただきながら、いずれふれてみたいところ。

 さて、英語を始めとする外国語を習得する際、まずネイティブの発音を聞くことが重要視されている。要するに、ネイティブの発音を真似ながら外国語の発音を習得していくわけである。その過程のなかで、日本語の「あ」「い」「う」「え」「お」にはない母音が外国語には多数存在することや、例えば同じ母音の「お」であっても日本語の「お」と外国語の「オ」では、どこか響きが違うことなどがわかってくる。

 さらに、日本語の場合、一音節が基本的には母音の前につく一つの子音とそれに続く一つの母音から成り立っているのに対して、外国語の場合は、二つ以上の子音が母音の前につくことや、母音にも二重母音があり、さらには母音のあとに子音がつく、しかも場合によっては文字として表記するのに発音しないものなどがある・・ことなどが、徐々にわかってくる。

 話を男声合唱に戻そう。小生も含めて、おじさん達が英語を習っていた頃は、「読み・書き」中心の学習で、スピーチコンテストで華々しく活躍している仲間がいたとしても、かなり例外的な存在(ただの「ひがみ」です)であって、ネイティブの発音にふれるなど夢のような話であった。さらに大先輩で戦前の学校教育を受けてこられた方は、そもそも英語は敵国の言葉であったわけでして・・。ま、早い話がみなさん、英語が、お世辞にもお上手ではないわけだ。

 なら英語の歌とか、よせばいいのに・・。その通り!苦手なら歌わなければいいのである。ところが、今回のバーバーショップやシーシャンティーを始めとして、英語の合唱曲は実にいい曲が多いので、おじさん達はさまにならないのを承知で、よせばいいのに・・英語の歌を今日も歌い続けているわけだ。ちなみに男声合唱団の代名詞でもあるグリークラブという言葉も英語なわけでして・・。