オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

リニューアルせよ! 男声合唱 5

 前回は、おじさん達のさまになっていない歌を、頭ごなしにこきおろしてしまったので、では何を歌えばよいのかという、私なりの意見も述べておこうと思う。

 まずは、ラテン語、そしてイタリア語から

 日本人が歌っても、ある程度までならそれらしく発音できるありがたい言語がある。西欧の古語であるラテン語がそうだ。古語であるがゆえに、宗教曲の歌詞や一部の古い歌曲の中にしかみられないが、何といっても母音の数が少なく、子音の位置も日本語の子音とそれほど大きな違いがないので、もっともカタカナで表記しやすい外国語と言えるかもしれない。

 次に、二重母音やら子音の発音に少々難儀はするかもしれないが、イタリア語がお薦めだ。そもそも声楽家の卵達は、みんな古典イタリア歌曲から学習をスタートさせているではないか!だから、男声合唱に編曲されたものを探すなら、トスティの歌曲などうってつけだと思う。

 それでも、なお英語やドイツ語にこだわりがあるなら、後はお好きにどうぞ。ただ誰しも気づいているように、日常言語の発声でさえ、外国語と日本語では大きな違いがあるのだ。外国語は、とりわけ元来が狩猟・騎馬民族である場合、声がとにかくよく通る。電車の車内などで外国の方が話されていると、日本人の声の大きさとの差が歴然とわかるだろう。つまり、発音・発声に要する骨格や筋肉の使い方が、その言語を習得した時点から違うのである。

 実を申せば、外国語があまりお上手でない合唱団の皆様方も、根本的には、発音にともなう骨格や筋肉の使い方から、修正していかなければ、外国語らしい演奏には、なかなかならないのである。もちろんその逆に、外国の方が日本語を発音したり、日本の歌を歌ったりするときも同様なのだが・・。