オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

ぼくの大好きなアルバム この一枚 3

ライクーダー「パラダイス アンド ランチ」

 古くから食事時に音楽はつきものである。18世紀後半のウィーンでは、モーツアルトのディベルティメントを聴きながら、王侯貴族達が会食を楽しんでいたろうし、ところを変えて日本のお座敷では、芸者衆の三味線や唄に殿様や旦那衆が浮かれ騒いでいたのである。

 近年、音楽と相性のよい店は、喫茶店であった。ジャズ喫茶に名曲喫茶。そうそう客がみんなで歌集片手にロシア民謡などを合唱してしまう「うたごえ喫茶」というのも一世を風靡していた。ほいほいの住む横浜には、野毛にかの有名なジャズ喫茶「千草」があり、方や名曲喫茶と言えば、西口五番街の「田園」などが思い出される。

 店との相性は、喫茶店に限らない。近頃ではラーメン屋にも、音楽が流れ、それがなぜだかジャズだったりするが、「なぜ、ラーメン屋でジャズなのか?」筆者に、その因果を説明する力はない。

 ガロの歌っていた「学生街の喫茶店」には、ボブ・ディランが流れていたが、ぜひどこかの店で流してほしいのが、この「パラダイス アンド ランチ」である。アルバムタイトルがランチであるからと言って、食事のことを歌っているわけではない。でも、このアルバム全体に流れる楽しく幸せたっぷりな雰囲気は、まさに食事時の音楽にぴったりなのである。