オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

歌を共有すること 共有できる歌があること 2

 利用されている方は、上は明治生まれの102歳の女性から、70歳台まで幅広い年齢層にまたがっている。「どのような歌を好んで歌われているか?」を職員に尋ねたところ、唱歌や童謡がお好きとのこと。また軍歌は、一人ひとりの心の中にに深く刻み込まれており、戦時中の記憶や体験がリアルに蘇ってしまい、一将校であった頃の言動が再現されてしまう場合もあるので「禁じ手」とされているとの話。

 一回目は「ふるさと」を皮切りに、季節感のある曲ということで「われは海の子」「夏は来ぬ」などを歌う。昔を懐かしみながら歌われている表情が実にすてきだ。リクエストのようにして声がかかり「星影のワルツ」の伴奏も即興でやるはめになった。少々音を探りながらのたどたどしい伴奏であったが、ゆっくりしたテンポに助けられて、何とかセーフ。

 その後次の日にもリクエストの声がかかり、その時は「古城」を歌いたいとのこと。三橋美智也の曲だと記憶していたが、私にとって利用者の皆様程には馴染んでいる曲ではなかったので、この時は正直汗だくで何とか切り抜けた感じ。

 唱歌や童謡、はては戦後歌謡に至るまで、ともに声を和して歌う時間=歌を共有している時間をともに過ごすことができたことは至福の時であった。