オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

ほいほい 演奏会を聴きに行く。(2009 8月〜9月)

8/8(土) 17:30 開演 

JOINT CONCERT ’09 〜謳歌三舞会〜

めぐろパーシモンホール 大ホールにて 2

 次なる第三ステージは、ホスト校である横浜国立大学グリークラブによる演奏。当クラブは昭和30年代から毎年天下無双の関西学院グリークラブとジョイントコンサートを開催してきたことで知られる。日本の最高水準にある合唱演奏を神奈川県内で聴くことができた喜びを、神奈川県内の合唱ファンは感謝すべきなのかもしれない。耳に挟んだ話では、関西学院が今夏は海外に演奏旅行中ということで、スケジュールの調整がつかなかった由。

 演奏曲は、木下牧子作曲の男声合唱組曲「Enfance finie〜過ぎ去りし少年時代」である。この曲は、この十年間に演奏された男声合唱曲としてはベストテンにランクインする程の人気曲で、すでに多くの表現者や聴衆に支持されていると言う意味で名曲の域に達しているのではないかと思う。
 
 木下作品との向き合い方は、刻々表情を変える曲の緊張感にどう身を寄せていくかということだろう。暴れ馬のように疾走するかと思えば、夜の闇に静かに眠る獅子のような表情も見せる・・千変万化の木下ワールドの中で自由に遊泳することが楽しめれば、表現者としては一応の到達に達したことになるだろう。

 横国グリーの演奏は、つぼをはずさず正攻法で攻めたもので、指揮者にとってもすでにこの曲は手中の作品ということか。敢えて難を言えば、ピアニストのタッチが全体的に深いので、時折コーラスがピアノの影に隠れる瞬間が聴こえてしまったのが、惜しまれる。

 その中で、個々の歌い手の表情がよかった。男声合唱で聴き手側から一番左手の一列目は実質コンサートマスターなのだが、実に豊かな表情で全身で曲を感じ取り歌い上げていた彼とそのとなりの同じくトップの彼。少しはなれてバリトン、ベース側から数えて一列目6人目の彼の歌い方。彼等の歌い方、表情を観ながら私は、とても幸せな気分に充たされていた。

 私は、聴き手として客席にいるのに過ぎないわけだが、今この瞬間曲の感動を分かち合っているということでは、まったく表現者と同じであるということ。表現者と鑑賞者が思いを共有すること。コンサートの語源は「協調」にあるのだが、まさに組曲を通して、私は彼等と同じ時間・空間で「協調」していたのだと思う。