オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

長い長い追いかけっこを走りきった加藤和彦の死を悼む〜2

フォークルの解散以降、ヒットチャートを賑わせていたのは、メンバーの中でも一番目立つ「はしだのりひこ」だった。はしだのりひことシューベルツの「風」、はしだのりひことクライマックスの「花嫁」は、未だ皆で声を合わせて歌うことが、ちっとも恥ずかしくない年齢であり、且つ時代的にも未だ「歌はみんなのもの」だったあの頃。はしだのりひこの曲は、本当の意味で一世を風靡していた。

 ところでほかの二人、北山修加藤和彦は何してんの?と一ファンとして心配だったのだが、どうやら北山さんの方は、お医者さんになる勉強をしているらしく、何だか音楽業界とは距離を置いてしまっている様子だった。そんなちょっとさびしい気持ちを吹き飛ばしてくれたのが、かの名曲「あの素晴しい愛をもう一度」である。

 もはや何の説明もいらない名曲だが、シングルレコードのジャケットを見ると心なしかそっぽを向いている様子である。一説によれば、フォークルの再結成を図ったレコード会社のもくろみに対するプロテストらしい。何にしても、北山修加藤和彦のデュエットが聴けるこの曲は、当時中学生になっていた筆者の心を完全にとらえてしまった。

 筆者よりも後の世代でも、この曲を学校の合唱コンクールなどで歌った経験のある人は、数多くいるだろう。60年代後半から70年代前半にかけてヒットした曲で、後世まで確実に歌い継がれる曲を挙げなさいと言われたら、私は迷うことなく「あの素晴しい愛をもう一度」と「翼を下さい」と答えるだろう。(多少教科書チックではあるが)