オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

ヒット曲時代の終焉 3

 日本は、世界に冠たるアニメ輸出国であるらしい。アニメの殿堂なる箱物が政治の世界で話題になったが、手塚治虫先生の登場以来、日本人は漫画やアニメが大好きであり、ある時期から後は、アニメや漫画はもはや子ども達が独占する文化ではなくなり、大人達と共有できる文化に変質していった。そう大学生が「少年マガジン」を読み始め。少し照れながら「青年マガジン」などと呼んでいた時代から、もうかなりの年数が過ぎてしまった。

鉄腕アトム」から「ONE PIECE」に至るアニメの話は、話し始めると止まらなくなってしまいそうな勢いなのだが、季節毎にあるTV番組の切り替え期に「懐かしのアニメ名場面集」やら「アニメ 主題歌集」なる番組を放映してくれていることは、アニメファンにとっては、ありがたい。

 アニメの主題歌は、どの曲もアニメの主要キャラクターをイメージする「元気」で「明るい」曲調で作られている。「おぼえやすい 歌いやすい」というヒット曲の要素を兼ね備えて作られているわけだ。

 それでもさすがに昔はヒットチャートやCD売り上げで上位を賑わすようなことはあり得なかったが、最近では、結構アニメソングのCDが売れていると聞く。

 歌謡曲や最近のヒット曲でテレビを囲む家族が、音楽を共有する時間は無くなってしまったけれど。アニメの主題歌が流れるや否や、皆一同に会して、なつかしのアニメソングを口ずさむことができるのである。 

 話を転じてみれば、いずみたく・中村八大・すぎやまこういち筒美京平・・戦後を代表するヒットソングメーカーの作る旋律は、どれも「おぼえやすく、歌いやすい」曲であった。

 二つ目の結論。だれでも「おぼえすく、歌いやすい」曲が、最近のヒット曲に少ないため、ヒット曲という音楽をみんなで共有することができなくなってしまった。

 最近のヒット曲に、お決まりのように挿入されているのが、ラップである。ラップを、一人でモゾモゾつぶやくのはいい。しかし、あれを大勢で歌ったら?どうなるか??それは、ほとんどお坊さん達の声明状態であり、何やら不思議な雰囲気になってしまうのである。

 歌には、ドレミ、つまり音高がほしいし、リズムもみんなで唱和できる速さを保ってほしい。そんな歌が、悲しいかな、ヒットソングの市場から絶えて久しいのである。