オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

多田武彦 男声合唱組曲「雨」を歌う 5

 雨 雨

 11月にふる雨に代わり、差し替えられた曲。差し替える前の曲が、歌詞の課題はともかく、旋律にとても愛着を感じている人が多かったため、この差し替えを惜しむ声が、今でも一部から聞こえてくる。
 前回三十年以上前には、曲集に出ていなかったので、筆者にとっては初挑戦の曲。

 それにしても、この曲はかなりの練習量と技術を必要とする曲で、しかも
機械的にまるでパソコンのキーを叩き続けるかのごとく、歌い続けなければいけないので、未熟な私などは、次第に体が硬直してきてしまう。
 多田武彦の曲は、概してインテンポで歌うと味も素っ気も無くなってしまう曲が多いのだが、この曲に限っては、まず徹底的にインテンポでメトロノームをはずさないことを目標に練習しなければならない。主旋律は、各パートで受け継がれていく「あめは ガラスの 花」の僅か四小節だが、主旋律を歌うとどうしてものびやかにたっぷりと歌ってしまうので、他のパートとのずれを生じてしまう。まずは、ある程度の抑制を利かせながら、この超高速なテンポで歌いきる技術を身につけなければいけないのである。
 
 それにしても、この曲で描かれている雨は、何という激しさであろう。全組曲中、最も激しく強い雨が曲の中で、窓ガラスをたたきつけながら降っている。豪雨なのである。すさまじい速さでリズムを刻む音一つひとつが、強烈な雨粒となって、演奏されるべきなのであろう。