オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

桑田の歌がいつもそこにあったっけ 4

いなせなロコモーション

1980年、立て続けに発売されていた頃のシングル曲の一曲であるこの曲が、私にとってお気に入りの一曲になったのは、後年ライブ演奏やサザンのベスト盤である「海のYEAH!」を聴いてからの話だ。オールディーズ50年代〜60年代にポップスシーンを賑わしていたスターの名前が、後から後から登場するのだが、曲のノリ自体もその時代を彷彿させる懐かしいロックのノリである。
曲のコンセプトやメロディーラインが先行し、後からパズルのように歌詞がはめこまれて音楽が形になっていくという、お得意?の手法がここでも生かされている。その結果歌詞自体に深い意味はなく意味不明の部分も多い(ex.成れの果ての悲しきカンガルー、カミさんキーパー?)。しかし、いつの間にかそんな言葉遊びに目くじら立てずに、楽しくやろうぜ!という桑田ワールドに引き込まれ、気づかないうちに自分もステップを踏んでいるというわけだ・・・。

 ところでこの頃サザンは、「FIVEROCKSHOW」と銘打った5ヶ月連続でシングル曲を一枚ずつ発表するという企画の真っ直中にあった。レコーディングに彼等が集中してしまうことで「ベストテン」を初めとする歌謡番組に彼等の姿はなく、結果として人気・売り上げ共に落ち込んでしまう結果を招く。桑田自身が、デビュー当時いきなり「勝手にシンドバッド」が売れたことでノイローゼ気味になった逸話があるが、この時期音楽にだけ集中できる時間をもてたことは、商業ベースでの成功に結びついてこそいない。しかし、彼等にとっては、その後の飛躍のために必要な充電期間であったのかもしれない。