しばらくぶりに「第九」を歌ったのは、F女子大のコンサートで、第九の四楽章だけを演奏する企画に参加したのだ。指揮は、この前コンクールで名を馳せた山田和樹氏。少々鼻につく指導法が、指揮者本人の自意識を伺わせるが、それでも「第九」が大好きで、共に「第九」を楽しもうという気持ちが伝わってくる練習だった。本番も、久しぶりの演奏でそれなりの高揚感を味わうことができたし、合唱団の質も良く、天井の高いミューザがよく響いていたように思う。
私は、合唱団ではトップテナーになっていたが、この時もベースで参加している。若い頃喘いでいたF音は、もう苦しまずに出せるようになっていたが、
テナーパートのヒーヒーと歌いにくそうな旋律に、尻込みしてしまったのだ。いずれ、機会を改めて「第九」でもテナーデビューを果たしてみたい。