最近と言っても、ビートルズから話が始まる。ビートルズは、何度も新聞の社会面を賑わせたグループだが、そのニュースの一つに。自らのレコード会社「アップル」の創設があるだろう。タレント自らが、自前のレコード会社を設立してしまうのである。その後、日本では。吉田拓郎・小室等・井上陽水・泉谷しげるによる「FOR LIFE」などが話題になる。単に作詞作曲をし、演奏するだけでは飽きたらず、自分達自身が社長になることで、音楽を営業する範囲まで、つまり音楽が発信されるに至るすべての過程に関わろうとしたのである。
この志の大きさは、人々の喝采を浴びるが、実際に社長として会社回りをこなした吉田拓郎の苦労などは、並大抵のことではなかったという話である。
「音楽で飯を食える」か、否かについては、作詞作曲録音段階で納得のいく作品ができること、演奏で聴衆の心をつかみ、かつ想定した営業計画が順調にいくという、いくつものハードルを乗り越えた者のみが「飯が食える」にたどり着けるようである。ただ、その達成感は、とてつもなく大きいだろうけれど。
しかるにその一方で、人の作った曲を歌い、人の振り付けで踊り、あなた達を大スターにしてあげるから・・というプロデューサーの計画の元、一世を風靡するタレントが大勢居る。最近では、AKB48に嵐。古くは、おニャン子クラブにピンクレディー・・と数え上げたらきりがない。すでに作られたタレントの域を脱しているが、SMAPだって当初はジャニーズ事務所によって、仕立て上げられたタレントだった。
過密なスケジュールをこなさなければならないが、売れればという前提付きで「音楽で飯を食える」方法であろう。