オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

音楽で飯が食えるのか?ー5 未来への期待

 書籍の世界で「電子書籍への版権の移動」が話題になっているらしい。また
最初から電子媒体を前提に作品を書く作家も現れていると言う。

 書籍よりも遥かに早い時期から、大量の音楽がインターネットで流通している。その結果としてレコード屋という商売は、かなり窮地に追い込まれており、私自身CDの注文は、もっぱらネットを通している。あのレコード屋でLPのジャケットを抜き差ししながら、どのレコードを買おうか迷った至福の時間は、もはや戻ってこないのだ。

 あらゆるジャンルの音楽が、ある意味無秩序に世界中を駆けめぐっているので、「注目される」「脚光を浴びる」ことについては、やはり先行している分既成の音楽家の方が断然有利である。先日の夕刊見開きにオペラ公演の記事が、全面広告で掲載されていたのだが、もっとも大きな写真は「レヴァイン」と「ゲルギエフ」である。この二人なら聴きに行くか・・という趣向なのであろう。

 それでも、インターネットという巨大な発信装置によって、すべての人にチャンスが開かれたのは、間違いないのである。今までは、売れ筋の音楽の影に隠れて、陽の当たる場所に出てくる機会が少なかったような音楽も、今は皆平等に発信のチャンスがある。

「飯を食える」かと言うことになると、いささか心許ないのだが、「音楽で飯を食おう」と志している人々は、インターネットの活用について工夫を試みるべきであろう。
 まず発信し、知ってもらうことこそが、第一歩なのだから。