オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

吹き抜ける涼風のような音楽 2

 2回目は、人の歌声による音楽。ダニエル・リカーリの名スキャット唱であまりにも有名な「ふたりの天使」を推したい。
 1970年にヒットしたこの曲は、始めはリカーリの名前を前面に押し出したものではなかったという。しかし、一度聴けば、彼女の声の美しさと軽やかさは誰にでも理解できるはずで、レーモン・ルフェーブル オーケストラの伴奏を得た彼女の歌声が、世界中で受け入れられ、親しまれたのは、至極当然の話である。
 歌には、一般的に言葉があり、その言葉を伝えたいために歌があるのかもしれないが、逆にどうしても脳裏に染み込み、その意味内容を咀嚼したくなる歌に対して、スキャットは、ただ純粋のその音色、その旋律の美しさだけを楽しめばよいので、脳の意味を考えたくてしかたがない部分は機能していない。私が、この歌から涼風を感じるのは、意味内容の暑苦しさから開放された音楽であるからかもしれない。