今回の記念合唱団で「見上げてごらん夜の星を」を採り上げたのは、今年の震災と無関係ではない。
震災の災禍に巻き込まれた人々に思いを馳せ、心からのエールを送る。それは同じ国に住まう同胞として、自然な感情であり、行為だと思う。では、何を歌うのか?「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」人々が互いの連帯を確かめ合い、苦しくても明日を信じて、前進していこうという気持ちを歌い上げるのに、これらの曲がいかにふさわしいことか!記念合唱団では、「上を向いて・・」は歌われないが、今年ほど全国津々浦々でこの曲の価値を再認識しながら、歌われた年もないだろう。
横浜市の片隅にある小学校で発足した一期一会の合唱団だが「同じまち」に住む「ご近所」仲間が、ともに音楽を創り上げる喜びを共有できたことは、まさしく一つの「記念」になったことと思う。