オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

合唱の話が続く。現在もう一つ所属している合唱団が堀部隆二先生が指揮する「横浜さかえ男声合唱団」である。1月後半は仕事の関係で参加できなかったのだが、2月4日に伺うと「富士山」の「作品第貳拾壱」を練習していた。
「平野すれすれ」の際どいそれこそ「すれすれ」の音程で歌う導入部を通過すると「いきなりガッと」出現するのが「夕映えの富士」の美しいテナーによる三度のハモリである。多田武彦作品の魅力の一つに、抜群の情景描写があるが、多田武彦作品「名風景集」などという企画を立てれば、必ずや最上位に入るであろう風景が、この「夕映えの富士」である。
 学生の頃はバリトンだったので、ちょっと音程が下がり気味のテナーに首を傾げながらも、この旋律の美味しさを堪能できるトップテナーを羨望の眼差しで見つめていたものだ。
 それがいつしか、自分がトップテナーに転じ、歌える日が来るとは!何と幸福なことだろう。「夕映えの富士」から全曲の大団円である「大驟雨」まで、トップは高音が連続するがんばりどころである。富士登山で言えば、最後の胸付き八丁と言った険しさなのだが、踏破した達成感を求めて歌っていきたい。(富士の画像を載せましたが、この富士は朝焼けの富士です)