オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

少々オンの話になってしまう。2月初め、とある小学校に授業研究会の講師として招かれた。参観させていただいた研究授業は、学習の主題「我が国と諸外国の音楽の特徴を感じ取ろう」で教材は「越天楽今様」である。指導の先生は、音楽室にある楽器を使って「越天楽今様」を器楽合奏することによって、日本の音楽の特徴を感じ取らせようとされていた。子どもたちは、この曲の特徴を感じ取り、担当する楽器の表現に反映させており、とても素敵な授業であった。
 そこで感じたのは、曲を聴いて感じたことを話し合いながらめあてを立てる時の「言葉」である。
 初めて聴く音楽の特徴を「言葉」で、子どもたちはどのように表現すればよいのだろう?解決方法の一つとしては、教師が「あなたの感じたことは、例えばこんな言葉で言い表せるかな?」と与えてしまう方法があるかもしれない。
 また仮に「日本らしく ゆっくりと演奏しよう」という「めあて」が立ったとして、「日本らしく」とは一体何か?「ゆっくり」とは、どのくらいの「ゆっくり」なのか?その辺りについては、一人一人の感じ方に委ねられたままになってしまっている。教師は、最終的に一人一人が感じ取っていたことを音表現として聴き、且つ評価することができるのだが、めあてとしては、それほど厳密なものではなく、表現のおよその方向性を示すものとして機能することになるのだろう。
 音楽を言葉で言い表すことの難しさは、そのまま音楽における問題解決型の学習の難しさになっていることを、改めて感じることができた。