その後相模大橋の上も見にいくが,やはり工事用のテントがドデンと視界に入ってしまう。もっとも圏央道の工事を鉄道ファンに配慮して進める必要などまったくないので、単なるつぶやきなのだが。
駅に戻りホームの端から、橋梁をくぐるロマンスカーを撮す。ちょうど7000系がやってきた。後輩達が先に引退してしまう名車の心境は、もし人間であればいかがなものだろう。
ようやく海老名のさよならイベント会場に着く。愛着を抱いていた人が多かったのだろう。駅から、かなりの人が列をなして進んでいる。
私のような中年の鉄道ファン。子どもづれのファミリー。若い鉄男たち。いろいろな人が詰めかけている中で、鉄男たちの騒がしさに少々違和感を覚えた。趣味として世に認められてしまった影響なのか、妙に明るく、自信満々で知識をひけらかしているような印象を受けた。
鉄男人生50年のおじさんは、思う。鉄道ファンとは、そもそももっと奇怪なあやしいし存在ではなかったのか!絶えず何しているの?あの人?といった不審感のこもった視線を全身に浴びながら、申し訳なさそうに鉄道を追いかけている変な人たちであったはずである。鉄道ファンが、正々堂々メインストリートを闊歩できる時代になってしまった。おじさんは、世の変化を痛切に感じてしまったのです。
10000系は、たしか長野電鉄でも走っているので、本家生みの親である小田急電鉄からの引退ととらえた方がいいのかもしれないが、寄せ書きコーナーに書きつけられたコメントには、ねぎらいの言葉が書き連ねられていた。おそらくは皆、働きづめで頑張っている自身の姿を電車に投影しているのだろう。
晴れると言っていた天気予報は、見事に外れ、かなり強い雨になってしまった。傘を持ってでなかったので、そこそこにして帰宅する。