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万物に重力を与える粒子ヒッグス粒子が発見されたとのニュースが世界中を駆け巡った。研究に携わってこられた科学者の皆様のご努力に心から敬意を表したい。
ところが、この発見がどの位価値がある業績なのか、だれにも「なるほど」と唸らせるような報道や解説が少ないことについては悲しい。ビッグバン直後の宇宙を例えに説明していたり、素粒子論がどのような経緯を辿り今回の発見の行き着いたかを説明しようとしたり、様々なのだが重さというものが存在し得なかった状態をイメージすることが難しいのである。その点でNHKが週刊ニュース深読みなる番組であれこれ試みていたモデルは、報道に関わる方の姿勢を垣間見ることができて、好感をもった。
ヒッグス粒子からは、話が逸れてしまうけれど、消費税についても原発についても、日頃からの報道の積み重ねが、いざという時に比類なき表現力と説得力をもって、人に理解されるのだと思うのだ。科学の最先端からは遠いところで日常生活を過ごしている人が大半であるからこそ、マスコミによる科学情報の発信は、継続的にわかりやすく願いたい。