オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

映画がヒットしているらしい(見に行っていないのだが)「のぼうの城」原作を電子書籍で読む。私にとっては大概の場合、映画より原作の方が面白い。映画が原作の楽しさに共鳴して制作されているのだから、ある意味当然なのかもしれないが。
信長の野望というシミュレーションゲームにはまっていた時期があって、北条氏と戦う時、城攻めに時間がかかったのが、今回の舞台忍城である。
史実を下敷きにしながら、武将一人一人の個性が際立つように描かれ、とりわけ味方同士でありながら、のぼう様の振る舞いに互いに呆れたり、怒ったりしながら、大軍に対峙して行く様が娯楽小説として成功しており、上下巻を一気に読んでしまった。
実質上の主人公とも言えるのは、正木丹波の存在だろうが、彼の葛藤や奮闘が実に痛快である。何せ殿様は木偶の坊様なので、誰かがヒーローを演じなければならない事情もあったのだろうが。遅まきながら映画も見に行こうかな?と気持ちが動いた読後感である。