オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

選挙の結果を受け、政治の右傾化を懸念する論調が聞こえてくるが、では対立軸としての「左翼・リベラル」って何なのか?護憲勢力を指している場合があるようであり、反原発は左翼の範疇か?あまりよくわからず、そもそもそんなことは大して気にしていないのかもしれない。
だが、中選挙区55年体制の時代は、右に自民党、左に社会党共産党という区分の背景に、それぞれの政治思想がちゃんとあったはずである。ところが、ソ連崩壊後社会主義思想への幻滅と小選挙区制の導入による新たな政党の誕生などを背景に、日本は、ほとんどオール保守による政治体制になってしまった。(民主党の一部、社民党共産党がかろうじて命脈を保っているにせよ・・・)
今回の選挙による政権の選択についても、背景に政治思想がないものだから、その時々の出来高というか短期スパンでの成果で評価してしまう。結局長いスパンで日本をどんな国にするか? という一票に込めた意味が曖昧なのである。
21世紀初めの左翼・リベラルをヨーロッパの社会民主主義に置き換えるなら、本家?の向こうもかなり苦労している。ブレア政権の第三の道は、言葉だけが踊った感じだし、フランスのオランド政権は、サルコジとの違いは見えても、社会党としての主張が私には今ひとつわかりにくい。ドイツの社会民主主義勢力は、メルケル首相の強力な指導力に押され気味だ。総じて言えばそもそも財政破綻が危惧されている状況下で、結果平等のための手厚い支出が極めて困難なのだろう。
だからと言って、このまま新自由主義がますます幅をきかせれば、どうなるのか?ただ、小さな政府を目指し、規制緩和によってお金の流れを市場経済の競争力に託していいのか?結果格差が広がって行くだけではないのか?

格差を今以上に広げない。むしろ縮める。結果の平等が困難であっても、機会の平等はしっかり保証していく。人々が未来に向けて希望と安心感をもてる政治思想があれば、私はそれを新しい左翼・リベラルと呼びたい。