オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

パウロ・フレイレ「被抑圧者の教育学」を読む

以前から読みたかったパウロフレイレ「被抑圧者の教育学」を何とか読み終えた。同じところに立ち止まり、論旨を繰り返すスパイラルに陥ったり、考えて読まないとわからないキーワードが出てきたり、読者泣かせなのだが、それでも二十世紀を代表する教育書たる評価は、十分に肯ける内容である。
めちゃくちゃな大雑把な掴み方をすれば、支配者は、ご都合による教条主義から被抑圧者に対して「銀行型」の教育を行っている。それに対して教育者と学習者との対等な関係による「対話」により 、自分たちがおかれた「限界と状況」をとらえ、「問題解決型教育」を推進して、社会を変革していかなければならない。
地球上の多くの国々で本書が読まれ、様々な教育実践が展開されてきた。日本でも、「総合的な学習の時間」導入の背景には、少なからず影響が感じられる。ただ、その教育実践が社会変革に結びついてきたかどうかについては、少々疑わしい。教育が社会構造を変え、新しい社会を創造する原動力であることを、本書によって強く再認識させられた次第である。


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