オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

懐かし嬉し、桑田佳祐ライブを聴きに行く3

懐かし嬉し、桑田佳祐ライブを聴きに行く3

今回にライブで一際深い音楽を表出していたのが、「東京」の演奏で、やっぱり桑田はブルースが大好きなんだと伝わってきた。ブルースと言っても洋楽のリズム&ブルースの話で、そもそもロックンロールの出発点は、そこにある。時にはヒット歌謡曲ギリギリの耳に馴染みやすいメロディーを奏でても、根っこのところでは、しっかり湿っぽい泥臭い音楽を温め続けていることが、よくわかる。
もう一つは、ロックンローラーとして、何を伝えていくかという桑田の立ち位置のこと。今の前衛として近代文学の名作を歌っているのは、一切の叙情性を廃して、ロックにすると「こうなりました」という演奏だが、きっと以前からやって見たかった試みだったんだろうなと思わせる。
ロックンロールヒーローや真夜中のダンディーには、時の政治状況や国民としてのあり方にふれる歌詞が出てくる。エロ歌路線が影を潜めると、桑田のこの自己主張部分が相対的に目立ってくるが、ある意味表現者として当たり前のことを日本の第一人者である桑田が、臆病で腰が引けた他の歌手を尻目にやっているに過ぎない。忌野清志郎亡き後、しっかり主張するロックンローラーとして、何を伝えていくかという課題を桑田が背負っているのだろう。




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