オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

子どもの日に考える1 バランスの悪さを強みに変える

今日は子どもの日。相変わらず総人口に占める子どもの割合は減り続けているというが、言うまでもないが、この国の未来を担うのは、その人口が少ない年齢層の子どもたちである。オールラウンダーというか、知徳体が程よくバランスが取れている成長像を私たちは子どもに願ってきたし、また健気にも子どもたちもその大人の期待に応えようと精一杯努力してきた。
しかし、時代・社会環境の変化が子どもたちの健全な成長に様々な形で影を落としてきた。外遊びよりもゲーム漬け、モラルハザードともいうべき「いじめ」を初めとした人間関係力の低下、唯一塾通い等、学校外のアウトソーシングで学力維持を図っているが、脱ゆとり教育による学習内容の増加は、ゆとり教育で潜在化していた平均的な学力を身につけることが困難な子どもたちの層を直撃している。
言い方が尖っているかもしれないが、偏った成長はもはや必然である。そのバランスの悪さをむしろどうやって強みに変えることができるかが、今後の教育界の大きなテーマになるのだろう。
バランスの悪いエッジの効いた個性よりも、アベレージを求めた従来の従来の成長像に一石を投じたのが、「世界に一つだけの花」の大ヒット。「ナンバーワンじゃなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」をSMAPが歌い、日本中すべてが自分のオンリーワン探しに奔走したが、もともと可視なフィールド(既成概念と言い換えてもいい)の中でオンリーワンを探すこと自体が、ある意味滑稽な話なのだ。結局ナンバーワン信仰は、今も其れなりに息づいている。
不可視なフィールドでの自分探しについて、例えは特異な天才の場合だが、スティーブ・ジョブズがインドをさすらっていた頃のように、他人からは、何をしているのか、よくわからない気持ちのあり方に、実はとんでもない可能性やエネルギーが詰まっているのかもしれない場合があると思う。
このような話では大人は何をしたらよいのか、ますます面食らってしまうだろう。そこでヒントを一つ。子ども固有の特徴は、親から引き継がれた因子に由来する場合が、ままある。子どもを見つめ、会話し、自分と似たような点を(もちろん短所も含めて)たくさん見つけておくことは、きっとオンリーワン?探しに有益だろう。なぜなら、親の轍を踏むか踏まないかに関わらず、子どもはある地点までは親に導かれて育つのだから。何処かで手を離す瞬間、子どもを見失ってしまう瞬間に、子どもに関する情報を一番体得しているのは、やはり親なのである。