オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

宮崎滔天の志と今のアジア情勢

明治大正の昔、熊本県荒尾市に、今ではその凄まじい生き方がほとんど伝説になっている宮崎兄弟がいた。彼等の生き方はまさしく大河ドラマにふさわしいのだが、残念ながらあまり取り上げられる様子もない。(話は横道に逸れてしまうけれど、大河ドラマと言えば、波瀾万丈そのものの浮き沈み人生を送ったダルマ宰相高橋是清を、ぜひ取り上げてほしいのだ。あのタフネスさ、七転八倒の生き様から多くの人々が勇気付けられることだろう。)
その兄弟の末っ子こそが滔天その人である。浪曲師としての名もあるが、ここでは思想家運動家として滔天で通したい。ところで何をした人かと言えば、孫文蒋介石を支援し、中国において辛亥革命を成功させた業績がまず挙げられるだろう。中華民国成立の影の立役者とさえ言える存在なのだ。アジア地域における共和制の確立という理想に捧げたその生涯は、もう少し多くの人が知るところとなって欲しいのだが。
その後、日本は大東亜共栄圏なる概念のもとに、アジアの盟主足らんとして大東亜戦争へ進むのだが、欧米列強からアジア各国を解放するという理想と実際の植民地支配に近い体制の矛盾については、さらに検証を進めなければならないだろう。ただ滔天の考えていた思想は、もっと独立したアジア各国が平等対等な関係であることをイメージしていたようだ。