オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

「桐島、部活やめるってよ」読後感

桐島、部活やめるってよ」読後感

家内が何かのポイントが溜まったとかで買ったたくさんの文庫本がテレビの横に山積みになっていた。どれどれ作者名くらいなら見覚えのある人気作家の本だが、そのうち朝井リョウ桐島、部活やめるってよ」を読んでみた。
高校生活。17歳。50代も半ばを過ぎた自分には40年昔の思い出は、奥歯の間からなぜか唾液が染み出てくるような奇妙な条件反射が起きる。登場人物を囲む世界から懐かしさを感じるのは、押し入れから埃かぶって昔のアルバムが出てきた時と似た感覚だろうか。
一人一人の登場人物がそれぞれ一人称で自分の周囲の様子を語るのだが、語り口によってその生徒の個性や感じ方考え方が実に巧妙に書き分けられているのが、19歳にしてデビュー作品にしてこの実力!と評価された大きな一因なのだろう。今は会社員作家?として活躍中らしいが、若い世代に朝井さんも含め、素晴らしい作家が何人も輩出していることは、とても嬉しい話である。






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