オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

ベートーヴェン ミサ ハ長調

ベートーヴェン ミサ ハ長調

ベートーヴェンを歌うと言えば「あ〜、第九ですね。」と返事が返ってきそうなくらい日本人は第九を歌ってきた。また現に歌っている。
しかし、大半の愛好者は、第九以外の声楽曲をどのくらい歌い込んでいるのだろう。第九が最初で最後の経験というのは、東京に出かけて、スカイツリーだけ見てひとしきり感心して帰ってくるようなものである。せっかく素晴らしいクラシック音楽の駅に下りたなら、他の名所旧跡もぜひ訪ねて見てはいかがだろうか?
ベートーヴェンのミサ ハ長調は、第九やミサ・ソレムニスほどの巨大な建築物ではないが、ベートーヴェンならではの曲作りが、随所に聴こえてくる音楽なのである。作曲のタイミングは、売れっ子作曲家としての階段を一気に駆け上がっていた時期と重なるが、血気盛んな作曲者は、かなりの自信をもっていたらしく、初演の不評に対して憤慨し献呈するはずの貴族の元を退席してしまったというエピソードがある。そのくらい当時の人々には革新的な手法で書かれていたと言うべきなのだろう。一曲一曲の独立性よりも全曲を通してのトータルな曲作りとでも言うべきか?
さて、このお薦めの曲、残念ながら演奏にふれる場があまりない。ましてや第九のように合唱に参加する場面がほとんどない。仕方ないので、CDで我慢するしかないのだが、私は若いシャイーがベルリン放送交響楽団を振ったCDを聴いている。ハツラツとしたテンポの取り方が、元気いっぱいのベートーヴェンを彷彿させる。








iPadから送信