オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

カリンカソロ 再び2

カリンカソロ 再び2

資質に恵まれないからこそ経験できた過程が、私の発声の変遷にも当てはまりそうな気がする。そもそもの始まりは、大学入学直後のグリークラブ入部に遡る。初めて聴いた男声合唱に呆然としていると、知らぬ間に上級生に取り囲まれ、学生食堂に連れて行かれる羽目に陥る。その場は何とか逃げ通せた?ものの、度重なる声かけに負けて??練習場を訪れると、今度は、やれ喉仏を下げるとかあくびの要領とか難しいことをのたまわれる。
たしかその後、パート決めとなったのだが、声を出す前から「顔がバリトン」とか言われ、「ずいぶんいい加減なクラブだな」と今よりはまだ純粋だった私の心にちょっと疑念が湧く。ところが実際声を出してみるとバリトンの声域がやっとの有様だったので、さらに驚いてしまった。
その後、音が外れる団員をフォローしようとするあまり力む癖がついてしまいビブラートに悩まされたり、個人レッスンに通って独唱を体験したりと40年近くに及ぶ試行錯誤を経て、何故だか現在は、本籍地バリトン、現住所トップテナー、別宅カウンターテナーという居場所で合唱と関わらせていただいている。
思えば遠くへ来たもんだ・・・たしか海援隊にそんな歌があったけれど、まさにそんな心境なのである。今回のカリンカソロは、現住所のトップテナーで歌う。トップというのは、高層ビルの最上階か富士山の頂上が作業場のようなもので、一度地上に降りてくると再び最上階や頂上まで上がって行くのにとても骨が折れるのだ。何のことを言っているのか?少し説明すれば、響くポイント、声があたるポイントの維持の話である。何せ普段の話し声は相変わらずバリトンなので、トップテナーの高さに自分の楽器を調整するのが、結構難しいのです。






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