オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

小池龍之介 しない生活を読む

小池龍之介 しない生活を読む

電車待ちの数分で駅構内の書店で見つけた本。連載物のまとめなので、見開きが一つの項目になっているため、電車の中でも気軽に読めるかな?との印象だった。
途中まで読んで帰宅後同居人に薦めたところ、私の手を離れていってしまい、読了が遅くなってしまった。本書の内容は、ざっくり括れば「余計なことを言わない心得、人の言葉を受け入れるスタンス、自分の気持ちの有り様の見つめ方」ということだろう。
筆者はお坊さんなので、お坊さんでなければ、お坊さんだからこそ言っていられる境遇が見え隠れする。平常心を保ち、内なる平安を獲得することは多くの人々の願いだろうが、そうは問屋が卸さないのが日々の現実だ。自分自身一人が、肉食を絶ったり、インターネットを切ったりしても、その他大多数は今の時代環境に揉まれて悪戦苦闘しているわけで、渦中に溺れかけている人々に本書が浮上のための浮き輪となり得るかは、定かではない。ただ本書がほどほどに売れている背景に「溺れる者は藁をもつかむ」的な追い込まれた現代人の状況が反映しているのは、間違いないだろう。







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