名湯草津温泉でプチ湯治 3
まだ半分眠っている身体を起こし、散歩を兼ねて朝風呂「白旗の湯」へ。朝の乾いた空気を感じながら歩くのは、とても気持ちがいい。草津温泉が標高1150mの高地にあることが実感できる。ちなみに湯治宿にはエアコンがないので草津温泉に来てから、ノーエアコンの生活をしている。
「白旗の湯」に着くと清掃中だったので、コンビニでコーヒーを買ったり、足湯に浸かったりしながら、しばし待つ。「白旗の湯」の男用は、湯船の頭上が二階まで吹き抜けになっていて開放感がある。石鹸やシャンプーは温泉に強い殺菌作用があるので置いていないとのこと。宿の風呂同様、ていねいにかけ湯をしてから入る。昨日のハイキングで同行者に言われた話だが、私はお尻が小さくなっているらしい。熱い湯に入るとお尻がヒリヒリする気がするのは、そのせいだろうか?
プチ湯治が三日目を迎えた。お風呂に入る。ゴロゴロ昼寝している。ご飯を食べる。ただそれだけを繰り返しているわけだが、ネコが調子がよくない時にじっとしているように、自分もじっとしていることで身体が回復してくる感覚が少しずつわかってきたような気がする。
ふだんは、仕事や何やらで自分の生活スケジュールにはないものが体験?できるのも、この「のんびりゆったり湯治」ならではのことだ。朝のNHKドラマ「花子とアン」を15分ちゃんと見たのは初めてだし、それに続く「あさいち」というイノッチと有働アナウンサーがやっている番組も初めて見た。今日は宇宙飛行士の若田光一さんがゲストで宇宙での話題がとても楽しかった。
昼近くになり雨が止んだので、昨日買った三箇所の温泉セット券を持って出かける。まずは宿から近い「西の河原露天風呂」へ。公園の奥まったところにあるこの温泉は、風呂というよりは、ほとんど池のようなだだっ広さで私のように落ち着きがない人は、どこにいていいか?わからず広い風呂をあちこち行ったり来たり右往左往することになる。露天なだけに温度は、湯だし口は熱く、そこから離れていれば、ぬるいというわかりやすさで、自分が一番気持ちがいい温度を選ぶことができる。洗い場がないので、かけ湯をすればあとはお好きにお入りくださいというのもシンプルだ。
昼食時になったが、まだそれほど腹が減っていないので、もう一軒温泉をはしご湯?することにした。向かった先は「千代の湯」。湯畑の下から少し入ったところにある一般に開放された共同浴場だ。風呂の頭上が吹き抜けになっているのは、朝の「白旗の湯」と同じ。ここのお湯は、今までのお湯に比べると柔らかく少しぬるめで私にはとても入りやすかった。温泉をはしごした後は、さすがにお腹が空いていて、ラーメンを食べて宿に戻ってきた。
夜は、宿のおいしい夕食を終え、外を見ると降り続いていた雨が止んでいる。そこで「熱の湯」でやっている「温泉らくご」に出かけた。今日の噺家は、柳家花緑のお弟子さんで二つ目の柳家花ん謝さん。落語が初めてというお客さんが多かったので、少し落語入門のような枕を振ってから、犬のシロが奉公人に生まれ変わる噺と番長皿屋敷を下敷きにした与太話を聞かせてくれた。
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