四日目も早朝さわやか散歩。階段をひと頑張りして上がり、白根神社〜芭蕉句碑〜高村光太郎詩碑〜十返舎一九碑を回る。芭蕉句碑と十返舎一九碑は、少しわかりづらいところにあり、辺りを行ったり来たりしてしまった。また十返舎一九に、弥次さん北さんコンビの草津温泉への道中記(膝栗毛)という作品があったことを知る。その後は「地蔵の湯」の足湯に浸かり、宿へ戻ってきた。台風11号が近づいているので、今日明日の天気がどうなるか心配だ。
午前中私は、三浦しおんの小説を読み、同行人は隣でスヤスヤ。隣で寝ていた人が起きたので、今日のお風呂「地蔵の湯」と「大滝の湯」へ例の温泉セット券を持って出かける。「地蔵の湯」は、朝の散歩で足湯に立ち寄ったところ。中は脱衣所と風呂場が一体化している造りで、天井の方が吹き抜けのように高くなっているのは、これまで巡った共同浴場と同じ。お湯は柔らかく、さほど熱くないところが私向き。
坂を下って「大滝の湯」へ。この辺りで雨が強くなり、初めて傘を使った。「大滝の湯」はいわゆる日帰り温泉施設の草津温泉版のようなところで、土曜日ということもあり、天気にも関わらず結構な賑わいである。ここの売りの一つは、温度の違う浴槽を39度から45度まで五つ並べて、順に浸かって身体を慣らしていくという合わせ湯だ。私は、44度でやめにしておいたが、ここ数日熱い湯にばかり浸かっていたので、ぬるめの湯がとても嬉しかった。露天風呂で一息ついていると隣に座っていた方が、話しかけてきた。何でも鬼押出しの近くに山荘を持っている方とのことで、話は自然相手の生活で熊に会うこと、ヨーロッパとの違い、最近の尾瀬の話と広範囲に及んだ。私は今後山荘生活など縁がなさそうな人間だが、リタイア以降の生き方としては、少し羨ましく感じた。お決まりのコーヒー牛乳を飲み、フットマッサージをして「大滝の湯」を出る。
帰り道、待望の舞茸そばを食べてくる。狭い草津温泉の道に行列をなしている蕎麦屋が何軒かあるが、何処かで評判を聞きつけてくるのだろう?ちなみに私たちが入ったのは、昔からあったような構えの店で 、並ばずに座敷に通してもらえる店でした。雨が降っていたので、その後は宿でのんびり読書三昧。