高木裕「調律師、至高の音をつくる」を読む
他の追随を許さないブランドがある。ピアノで言えば、やはりスタインウェイがそうだ。著者は、スタインウェイのピアノを貸し出し、調律することで、コンサートやレコーディングと関わっている人である。調律の前に整調や整音という作業があることや、ピアニストがうまいかどうかの判断基準は、いかに小さい音を出せるかどうかなど、音楽ファンにとって興味深い話が続き、まるでピアノソナタの第三楽章を聴いているかのように、一気に読み通すことができる。ピアノというすごい楽器から、距離を置いている人にもお薦めの一冊です。
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