オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

馬場啓一「白州次郎の生き方」を読む

馬場啓一「白州次郎の生き方」を読む

本にはどうしても読み手との相性がある。困るのは、買ってきた後で本が読み手を選んでしまうような場合だ。要するに私には、英国紳士の生活様式に根ざしている思われる彼の生き方が、ただの金持ちの放漫な散財にしか見えない部分があった。
服飾、酒、車へのこだわりは同時に筆者自身のこだわりでもあるだろう。当ブログのタイトルでもあるけれど、所詮「趣味」とは、「だからそれが何なんだ!」と言われてしまえば、結局それだけのものに過ぎないので、他の趣味に対して何か優越性がある価値を有するわけでもあるまい。しかし、本書には白州次郎の姿を借りながら、それらの趣味の価値をこたさらに強調するような記述が多々見られる。
現代において、白州次郎の功績は、吉田茂を補佐し戦後日本の処理に奔走した活動に、どうしてもスポットライトが当たるのだが、敢えてその部分を中心に据えることを避けた本書は、「白州次郎と英国趣味」とか「白州次郎のこだわり」とか名付けたほうがよかったかもしれない。





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