オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

日本の名教師列伝3 中江藤樹3

日本の名教師列伝3 中江藤樹3
〜先生たちは日本の未来をどう見据え、語ってきたのか?〜

日本における陽明学の祖と仰がれる中江先生が、王陽明の書と出会ったのは、晩年に差し掛かった37歳の頃であると言う。その頃の先生は、かなり思想的な壁にぶつかっていて、王陽明の書に接したことで、自分が今まで発信し続けてきたことの裏打ちというか後ろ盾が得られたようだ。ではそれまでは一体何を説いてきたのか、小説「中江藤樹」の中で最も出現するキーワードが「明徳」であり、「人それぞれの心の鏡を曇らせないように」という教えである。物事の真理が外側にあり、それを入力することが学びの本質であるという考え方の反対で、自分のうちに元々備わっている真理を発揮できるように出力させることが大切であると説く。つまりそれが致良知である。
大量な情報を整理し、加工し、表現することに忙殺されている現代人に置き換えると、自分に元々備わっている真理を見つめ直すこと、言い換えれば明徳について考えることが、いかに大切なことか?中江先生の教えは現代にも問いかけているのである。







iPadから送信