オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

手塚治虫「ロストワールド」を久しぶりに読む

手塚治虫ロストワールド」を久しぶりに読む

さいたま市に住んでいる息子がやって来て、私の漫画だらけの本棚から「ねじ式」と「メトロポリス」「来るべき世界」を借りて行った。あれっ?手塚初期三部作の「ロストワールド」も、どこかにあったはずだけれど・・・。でもその時は見つからず、息子がさいたまに帰ってから見つかった。せっかくなので、久しぶりに読み始めてみると、やはりおもしろい。
少年少女の読む漫画にしては、主要な登場人物がことごとく殺されたり死んだりしてしまう。いわゆる善い人よりも悪人の割合が多く、物語の最後もどう考えてもハッピーエンドとは言い難い。つまりかなり人間の描き方がリアルなのである。ディズニーアニメの甘さに感化されていると少々ニヒルな傾向さえ感じるかもしれない。これは悪徳医者ブラックジャックにも通じる部分かもしれないが、手塚治虫ヒューマニズムとは、決して道徳的教科書的ではないのだ。
宇宙、生物、エネルギーに関する研究所が舞台になっているが、それは物語完成の70年後の今も、科学者達が血眼になって追究しているテーマであり、その先見性に改めて驚かされる。未来を描いてきた手塚治虫作品の類型がここにもある。そして、風化していないのだ。





iPadから送信