オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

25年前の戸塚混声合唱団「モツレク」を聴いてみた。

自慢話にしか聞こえないような話は避けているつもりでも、結局は相手にとって鼻持ちならない話題になってしまうことがある。そんな話は、ずっと年寄りになってからと思っていた自分もいつの間にやら還暦間近になってしまった。
1991年は、私にとって結構忙しい年で、その年に怒涛!の勢いで結婚しているし、合唱ではモーツァルトイヤーだったので、戸塚混声合唱団ではモーツァルトのレクイエムを練習していた。できてわずか6年しか経っていない合唱団が、モーツァルトのレクイエムに挑むこと自体がかなり無茶な話だったが、若気の至りで団内の反対論を強行突破して、翌年1992年2月の第三回演奏会でN響団友オーケストラと今思えば実に豪華なソリスト陣を迎え、私の指揮で演奏した。
かなり力み返っている合唱は、白熱した演奏と捉えられなくもない。吼えまくっているfは、悲しみが怒りに転じていると聴こえなくもない。 そして、何より感じたことは、これがモーツァルトの作品だったからこそ、天才の絶筆である音楽のフォルムの美しさが、技能の稚拙さなど瑣末なことを際立たせずに済ませているのだと感じた。こういう遺産こそが、真の芸術作品というのだろう。