オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

ヒーロー、ヒロインを演じる力

東京都知事選は、小池百合子さんが当選した。自民党という後ろ盾をなくし、崖から飛び降りる決意の出馬表明は、何と「落下傘」を使わなかったのに、無事に見事着地できてしまった。
日本人は「もうあとがない覚悟」とか「少数で多勢に立ち向かう」構図が大好きで、且つ同情的である。歴史的にも、頼朝に追われた義経、家康に抵抗した真田信繁、明治政府に西郷さん、結果的に冷静に考えてみれば、頼朝、家康、明治政府(大久保利通とか)の敷いたレールの上を歴史が走り、またそれでよかったと思える。だがいわゆる判官贔屓。歴史上のヒーローは、悔しい思いと共に亡くなっていった敗軍の将なのだ。
小池さんは勝ったので、ちっとも敗軍の将ではないが、有権者の心理を判官贔屓的に上手く誘導している。この辺り伊達に多くの政党を渡り歩いてきたわけではない彼女のしたたかさを感じる。どのような言葉が人々の心にヒットするか?を巧みに使い分けることができるポピュリストの危うさも少し感じられるのだ。