取り返しのつかない大きな失敗をやらかしてしまい、試練に耐えてきた人の経験値は、人生の歩みが成功という美しい履歴によって彩られている人より、はるかに高く評価されるべきだと思う。
例えば現総理。小泉首相の後を受けた第1期安倍政権は、あろうことか?自身の病気によって頓挫してしまった。この試練が、現在の総理の強さやしたたかさに大いに資する経験となっている気がする。
さて、一応最大野党の民進党は、蓮舫氏が代表に当選した。そして、何と彼女は、幹事長に野田前総理を据えたのだ。野党に転落した原因を作った人を幹事長に据える仰天人事に、唖然とした党員は多かったろう。しかし、先ほどの経験値云々に照らし合わせれば、野田氏ほどの試練を経験している政治家は、そうそういない。償いにもお詫びにもならないかもしれないが、最大野党?の党勢回復が日本の民主主義の健全化に結びつくことを今は信じて、野田氏の手腕に期待したい。