オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

声の旬、食べごろ。

声には、食べごろがある。中高生、ましてや小学生ではない。彼らは、まだ固い青い実なので、頬が落ちそうになるような美味しさを期待してはいけない。ボーイソプラノなど、特殊な訓練を施すことで、他の世代には出せない発声が可能な場合がある。しかし、これは例外と言うべきで、本来は若年世代の声を、方向を示し導くのは音楽教育として理解できるのですが、意図的に加工することは、褒められた話ではないだろう。中高生の合唱指導者は、躍起になってすごい音響を創出しているが、彼らの本当の可能性が卒業後にあり、そのために今のうちにできることは何か?を指導支援するべきなのだろうと思う。
おいしい声は、30代ごろになって、ようやく少しずつ熟れてくる。もう声素材そのものが、十分においしいので、妙な加工や調理は必要がない。調理人は、一人ひとりの旬を見極めればいいのだ。
でも、アマチュアの場合悲しいかな、声の衰えが隠せなくなってしまう時期がやがて来る。その人が辿ってきた道によるけれど、早い人で70代後半、頑張っていても80代後半は、艶や張りに陰りが出てきてしまう。でも、その時期まで表現者として音楽を楽しめるというのは、凄いことだ。歌とは、本当に一生涯をかけて友だちでいてくれる存在なのだ。