オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

小路幸也「シーラブズユー」を読む

小学校にも上がっていない小さい頃、おふくろの実家によく行っていた。おふくろの実家は、長女のおふくろを筆頭にして七人姉弟で、それは賑やかであった。私の指定席はあぐらをかいたおじいちゃんの膝の上で、ハイライトの煙が漂う中で白黒テレビを見ていたのを覚えている。
この物語も、大家族のドラマである。狂言回しのおばあちゃんが、あの世から?家族を見守っている設定で話が進むが、登場人物と一緒にホロッとしたり、大笑いしながら、いつの間にか読者も古本屋東京バンドワゴンの店内で会話に加わっている。
思うに「子どもの貧困」や「格差社会」が社会問題化しているが、事情が許すなら、大家族で実家というシェアハウスを営むのもありではないだろうか?日本人は、 平安時代まではほとんどの人が竪穴式住居で囲炉裏?を囲みながら、大家族で生活していたのだから。もちろんプライバシーの問題や不自由さは避けられない。でも、身を寄せ合ってお互いを守る術を工夫する必要性が、今の時代結構感じられるのではなかろうか?