グリークラブの機関紙、ご挨拶等に、必須単語とばかりに登場するキーワード、それが「メンタルハーモニー」。
個人的には、メンタルという言葉は胸を締め付けられ、苦しい。仕事上の課題に悩み、苦しんでいる仲間の姿が、どうしてもオーバーラップしてしまうから。実際英語でHe is mentalと言ったら、彼は心を病んでいる人という意味だろう。
そもそも合唱は、心の結びつきとやらで歌えるものなのだろうか?必要条件の一つにはなり得るかもしれないけれど。合唱を美しく響かせるため技術は、むしろフィジカルに経験積み重ねた結果として獲得するものが多いと思う。曲想表現に必要なイメージの共有化は、たしかに精神活動の一部だろう。しかし、イメージの共有は具体を伴うことが望ましいわけで、個々の五感に訴える方法を駆使すべきなのだ。それが「メンタルハーモニー」なのだろうか?
へそ曲がりの私には「メンタルハーモニー」という言葉が、どうもお題目のように都合のよい有難い言葉として、唱えられている気がしてならない。そこで取って代わる新しいキーワードを提案しようか。論語より「和して同ぜず」。これでは余計お題目っぽくなってしまった・・・なぁ。
まあ、結果として心と心が繋がった気がするなら、それを「メンタルハーモニー」と言う人がいても、あまり絡まないようにしよう。