多摩川を渡って行く仕事をしたことがない。昨年度1ヶ月に1回のペースで祐天寺に中世音楽を教わりに行っていたけれど、それでも東京という異空間とあの人いきれに青息吐息だった。人が大勢集まり動いているところとか車がひっきりなしに走っている場所とかが大の苦手なのだ。
だから、新しい合唱グループは地元で始めたわけで、薩摩琵琶だって。師匠の家まで10分少々で通える。東京に行かなければ。体験できなかったり、学べなかったりすることは多い。しかし、敢えてそれに背を向けて頑固に地域密着型の生活を続けている。
だからAct Localの実践には、それなりの覚悟が必要なのだ。陽ちゃんがオペラを聴きに来たければ藤沢に来い!と豪語し、山根先生が横浜の合唱指揮者であることにこだわり続けていたように、私は師匠筋からして、地元志向を運命づけられていたのかもしれない。